1. TOP
  2. コラム
  3. 【痔の予防】痔を発症から防せぐ7つのポイント

【痔の予防】痔を発症から防せぐ7つのポイント

 2016/02/09 コラム 予防 肛門病
この記事は約 6 分で読めます。
痔は病院へ

痔を発症から防せぐ7つのポイント

人知れず悩まれている方がとても多い痔の症状。その発生から、日常生活で予防するためのポイントを7つにまとめました。

◆お隣さんまで救ってしまうかもしれない知恵をご紹介します

日本人の3人に1人は患っているといわれる痔。3人に1人っていうと、つまり両脇に人がいたら、ご自身かお隣さんかどなたかは経験者っていう換算です。

・トイレットペーパーに真っ赤な血が・・・

・かたいうんちが出て、すごく痛くて、しばらくじっとしていた。

・おしりがじめじめして膿みたいなものが出てるかも・・・?

・便秘とダブルでつらい

・肛門付近に違和感が残る

・おしりに熱がある感じ・・・

こんな症状体験されたこと、あるかもしれません。3人に1人ですから実はものすごく多いということですよね。そんな日本中のあちこちで勃発している痔疾患を、発生から!予防するためのポイントを7つにまとめました。すぐにできる簡単なポイントもあります。これをお隣の方とシェアしたら、お隣さんまで救ってしまう、かもしれません。ぜひご覧ください。

ポイント1:お風呂は毎日ゆっくりと〜

ゆっくり入浴

お風呂に毎日入ってください。毎日入浴することで、肛門の清潔さが保持できます。そして、肛門のまわりの血流がよくなります。※肛門が熱を持っている場合は感染が考えられますので、温めることにご注意ください。

肛門は、うっ血させない、ということが痔をふせぐことにつながるのですが、ではうっ血とは何でしょうか。ここで少し解説します。

うっ血とは、血の流れが悪くなり、とどこおること。静脈の血が異常に多く溜まった状態です。似た言葉に充血があります。充血とは動脈を流れる血流が異常に増えることです。

つまり、肛門周りがうっ血してるとは血が動いてないってことですね。温めて、血を動かします。お風呂や運動(これから下記に登場します)が推奨されるのはこういう理由からです。

ポイント2:便秘や下痢を避ける活動を

便秘になると、便は硬くなります。理由は、便が大腸にある時、大腸は水分を吸収するのですが、便の滞在時間が長いとそれだけ水分を吸ってしまうので硬くなるというわけです。

便が硬いと出しにくいですから、長時間トイレにこもって、うーんといきんだりして息を止めてお腹に力を入れるわけですが、この強くいきむ、という動作は、肛門のうっ血を招くのです。すると痔につながります。

下痢は続くと肛門を刺激し続け、清潔が保ちにくい状態ですので、細菌感染を起しやすくなります。

便秘は体の状態を示すサインなので、状態が改善されれば、症状も改善します。「便秘は治らない!」とは女性からよく聞かれる言葉なのですが、便秘は治りますのでぜひ改善に取り組んでみてください。

 

【便秘改善におすすめの記事はこちら】

何日出ないと便秘になるの?意外と知らない便秘の定義
40秒でわかる!便秘度チェック・・・あなたの便秘度数は何%?
女性と便秘 切っても切れない深い関係

ポイント3:食事の工夫をする

便秘や下痢への取り組みとして、食事があげられます。食事も便秘も個人差があるため、一概に定義ができない部分がありますが、いくつかあげていきますね。

食事の量が少ないと腸の動きが低下して、便秘になり肛門をうっ血させます。

アルコールは取りすぎると、下痢や肛門周辺のうっ血を起こりやすくなります。

香辛料の取りすぎも、排便時に肛門部を刺激します。

食物繊維を取るなど取り組んでいきましょう。ただし食物繊維は難しくて、取りすぎると便秘になる方がいるのです。多くても少なくても問題があるのですね。やはり食事はバランスです。ご自身にあったバランスは誰とも違います。ぜひご自身でいろいろ試してみてください。

ポイント4:トイレで強くいきまない!

長くて、5分です!便秘の方、「そんなんじゃ出切らないって」驚かれましたか?驚かないでむしろがんばりすぎず、早めに切り上げていただきたいものです。

ポイント1であげました通り、痔という観点から見ますと、うっ血や、切れや、出血につながるのです。腹圧もかかります。

厳密に5分とういうことではないのですが、長くても5分です。便意がきたら、またトイレにくればいいのです。痔になったら痛くて出したくなくなってしまいます。だいたいの目安を自分の中に決めて取り組んでいくといいですね。

いきまない

ポイント5:同じ姿勢を取らない

座りっぱなし、立ちっぱなし、など同じ姿勢を取り続けることで、肛門まわりはうっ血します。適度に体を動かして、血行改善していきましょう。簡単なのに効果絶大な血行改善についてはポイント7でご紹介します。

ポイント6:おなかマッサージで便秘予防

便が出る時って腸が動いて便が出ますが、その動きを外側から促してあげるのがおなかマッサージです。やりかたは簡単です。両手を重ねて、おなかにあてます。おへそを中心に時計回りに「の」の字を書くようにマッサージします。時計回り、とは、お腹の右下(右手がある方です)から始まって上へ、左に曲がって・・・と続くということです。これは体内で便が進むのと同じ方向になります。お腹はデリケートですので、優しくそっとはじめましょうね。腸の運動が促進されて、便秘予防になるこの運動。何度もブームになってます。

お腹マッサージ

ポイント7:お待たせしました!肛門体操のご紹介

ポイント5からひっぱった、肛門のうっ血改善によく聞く、肛門体操をご紹介します。

やり方は簡単。肛門に上に引き上げるような感覚できゅっと力をいれて、力を抜く、この動作を指します。簡単というか、単純ですよね。でも単純とあなどるなかれ、なんです。この体操、「肛門締め」「おしり体操」などいろいろな名称で呼ばれているのですが、いろいろな名称で呼ばれてるのはそれだけたくさんの人がいいと思ってやっているから。肛門のうっ血、痔の改善を促すだけではないんです。女性は鍛えにくいと言われている骨盤底筋を鍛えることにつながるため、尿漏れ、生理痛、便秘改善などにもつながります。

うっ血改善のためでしたら、排便後に数回行ってみてください。便秘に関しては割とすぐに便意や腸の動きとして感じ取ることができます。尿漏れ、生理痛などはもう少し回数が必要ですが4週間もすると違いがわかってきます。体操の回数などは調べたりご自身で調整してみてください。ふつうの顔をして、立ちながら座りながらどこでも肛門体操ができるようになったら上級者ですよ!

痔の発症予防まとめ。「うっ血防止」と「清潔」が重要です

いかがでしたでしょうか。7つほど述べましたが、痔の予防の大きなポイントになるのは、「うっ血防止」と「清潔保持」だということができると思います。

便秘改善も、お風呂も、食事も、トイレを短くも、体操も、肛門に血を溜めない、肛門周りをスムーズに動かす動かす動かす!です。

予防にあげた7つのポイントも、まとめてみると、お風呂にゆっくり入って、バランスの良い食事をして、体もよく動かす、ということです。まさに快適ライフが痔の予防そのものなのです。痛みがない快便は、身体の快楽です。ぜひ痔の予防と快適ライフにつなげてみてくださいね!

 

\ SNSでシェアしよう! /

専門医が教える体の情報サイトdscopeの注目記事を受け取ろう

痔は病院へ

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

専門医が教える体の情報サイトdscopeの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 新型コロナウイルス感染症

  • 突発性食道破裂(とっぱつせいしょくどうはれつ)

  • 肛門がん

  • 側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)