1. TOP
  2. コラム
  3. 【柔道・剣道編】名スポーツドクターに聞く!起こりやすいケガ

【柔道・剣道編】名スポーツドクターに聞く!起こりやすいケガ

 2016/03/01 コラム スポーツ 病名
この記事は約 5 分で読めます。
剣道

スポーツには、そのスポーツを長くやることで起こるケガや病気があります。これを「スポーツ障害」と呼びます。

スポーツ障害にはどういうものがあるのか、気を付けるべき点、予防ポイントはどこか?名スポーツドクターに回答いただくシリーズ、今回は柔道、剣道編です。

◆スポーツ障害とは?

スポーツ障害とは、長い間スポーツを続ける間に、小さな力が繰り返し加えられることによって生じる障害のことを指します。(ここには突発性、急性のスポーツ外傷は含まれません。)スポーツ障害について、当記事のコメントをいただいた雑誌などでもご活躍されるスポーツドクター湯澤医師については、こちらでご紹介しております。

▶ スポーツを長くやっている人に起こる、スポーツ障害とは?

◆柔道で起こりやすい障害

柔道で起こる障害では、膝の靭帯損傷や、腰の椎間板ヘルニアなどが多くなっています。これらは技をかけられるよりもかけるときのほう負担が大きいためです。相手選手の重みが膝や腰にかかってしまっています。また、手の障害として、筋腱という指のすじを痛める障害が多くみられます。右打ちの人は左手の親指や薬指、小指によく発症します。

◆柔道で起こりやすい外傷

外傷とは外部からの力で起こる急性のケガのことです。ケガが起こりやすい順番では、膝、肩、足関節となっています。

【膝】

足技の時の負担がかかるため、膝をひねることでケガが多くなっています。

【肩】

受身が十分に取れず肩から落ちて鎖骨を折るケガが多くなっています。

【足関節】

足を畳にひっかけてしまい、足関節をひねるケガが多くみられます。

C037-1
引用: 岡田 隆ほか:柔道と技の外傷の関係、復帰をめざすスポーツ整形外科、2011.521-524

◆左右の動きをすばやくするために鍛える筋肉とは?

柔道では相手に合わせて左右前後に素早く動く瞬発力が必要になってくると思いますが、左右の動きを素早く行うための筋肉とは、どこになるのでしょうか。

それは足の筋肉。太ももにある大腿四頭筋の中の内側広筋があげられます。大腿四頭筋は太ももの前面にあり、4つの筋肉から成り立っています。この中でも内側広筋を鍛えることが左右の動きの素早さにつながっていきます。ただしトレーニングの際は、内側広筋のみを鍛える、というよりも、大腿四頭筋全体にアプローチしていきます。

大腿四頭筋を鍛えるトレーニングは、調べてみるとたくさんありますので、ご自身に合った取り組みやすいトレーニングをいろいろと試していただきたいのですが、手軽にできるものではハーフスクワット、器具を使うものでいうとレッグプレス、レッグエクステンションなどがあげられます。

どのトレーニングでも、伸ばす、縮める、両方の動きの場合もゆっくりと力を均等に入れ続けることがポイントです。この時、呼吸を止めないように注意します。また大腿四頭筋を動かすためには、その裏側にある、拮抗筋に当たるハムストリングのトレーニングも同じぐらい重要になってきます。バランス良いトレーニングが効果的です。

◆剣道で起こりやすい障害一覧

剣道では木の床の上で裸足で練習や試合をする為、足の指や足関節、アキレス腱などの足部のケガや障害が多くみられます。手では足とは逆に、右構えの人はよく右側をケガしやすい傾向にあります。相手の攻撃の時やつばぜり合いや体当たりをかわすためです。

【アキレス腱断裂】

右構えの人は、踏み込む時に左足で強く床を蹴るのが原因でアキレス腱断裂が発生しやすくなっています。

【足底】

足底腱膜の炎症などを起こしやすくなっています。表皮の断裂も多くみられます。

【足関節】

転倒したときにひねり発生しやすくなっています。

◆アキレス腱を鍛える2つの方法とは?

剣道で障害の起こりやすいアキレス腱。このアキレス腱を鍛えることってできるのでしょうか?
答えはイエス。アキレス腱って鍛えられるんです。

その方法をご紹介する前に、アキレス腱の仕組みについて少し見ていきましょう。「腱」とは筋肉と骨を連携している組織を指します。腱はタンパク質の一種であるコラーゲンからできています。人体にある腱の中で最も太いのがアキレス腱なのですが、実はスポーツにおいてもっとも断裂の多いのもアキレス腱なんです。

アキレス腱は、断裂の際、激しい痛みが伴います。もちろん、断裂は避けたいものですよね。

その痛いアキレス腱断絶を防ぐために、そして選手生命にかかわるケガを防ぐために、この骨と腱を強化するための方法とはどのようなものなのか。方法を2つご紹介します。

まずひとつは、食事面からのアプローチです。食事では摂取したい栄養源が2種類あります。ひとつは骨の原料であり、筋肉の反応スピードにも影響を及ぼすカルシウム。もうひとつはコラーゲンの生成とトレーニングの負荷から体を守るホルモンの分泌に欠かせないビタミンCです。この2種類を不足なく摂取することは障害を防ぐ基本的な要素といえます。

次に骨と腱を強化するための方法としては、筋力トレーニングがあげられます。

ゆっくりとした動作で筋肉に負荷をかけ筋力をつける、といった手法のトレーニングは、筋肉のみならず、腱、靭帯といった骨と筋肉の結合組織を強くします。筋肉には大きな負荷をかけることで筋力がつくのですが、同時に起こる筋肉の収縮によって、靭帯や腱にも刺激が加わることで強度が増します。そして骨では骨密度が高まります。食事からのアプローチと筋力トレーニング。ぜひ試してみてください。

◆まとめ・・・必要な筋肉・腱を鍛える

柔道も剣道も、スポーツ障害を起こす部位を守るための筋肉や腱を鍛えるという提案がされています。スポーツは体を動かすものですが、スポーツを深めるには知識、学習もかかせません。文武両道というイメージの強い日本のスポーツ、柔道と剣道。知識の一助になれば幸いです。

\ SNSでシェアしよう! /

専門医が教える体の情報サイトdscopeの注目記事を受け取ろう

剣道

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

専門医が教える体の情報サイトdscopeの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。


僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。


この人が書いた記事  記事一覧

  • 突発性食道破裂(とっぱつせいしょくどうはれつ)

  • 肛門がん

  • 側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)

  • 副鼻腔炎(ふくびくうえん)