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高血圧との付き合い方・・・仕組みから、放っておくと引き起こされる病気まで

 2016/03/07 予防 病名
この記事は約 7 分で読めます。
高血圧

加齢と伴に増える高血圧。高血圧の原因から、高血圧を放置しておくと起こってくる状態までをまとめました。

高血圧の前に・・・血圧ってそもそもどういうもの?

ご承知の通り、心臓は全身に血液を送り出していますが、この血液が動脈の壁に与えている圧力を血圧と言います。

心臓が収縮したときの血圧を収縮期血圧、最大血圧、最高血圧、上の血圧などと呼び、心臓が次に送り出す血液をためている時期(拡張期といいます)の血圧を拡張期血圧、最小血圧、最低血圧、下の血圧などと呼びます。

血圧は、心臓の送り出す血液の量(心拍出量といいます)、動脈壁の弾力性、末梢血管の抵抗などの要素によって決められます。

どこからが高血圧?

血圧は、世界保健機構(WHO)で定義された数値があります。それを基に、高血圧という目安が決められています。正常血圧は、収縮期血圧140mmHg未満、拡張期血圧90mmHgという定義です。

しかし、199711月に改訂されました米国合同委員会の第6字報告(JNCーⅥ)では、正常血圧を収縮期血圧<130かつ拡張期血圧<85と定義するなど基準を厳しくする傾向にあります。

血圧を定義した表は、以下の通りです。

WHO/ISHの診断基準(1993年改訂)】
収縮期血圧
拡張期血圧
140
mmhg
141~159
mmHg
160~
mmhg
90mmHg 正常値
91~94mmHg 境界域高血圧
95~mmHg 高血圧
※軽症高血圧:拡張期血圧90104mmHg、心臓や他の標的臓器に異常を認めない場合

血圧が高くなる原因は何?

高血圧には二つのタイプがあります。一つは「本態性高血圧」です。高血圧患者さんのほとんどの人(90%以上)が「本態性高血圧」です。このタイプの高血圧は遺伝的素因と生活習慣が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、まだ詳しい原因はわかっていません。

もう一つのタイプに腎臓病・内分泌疾患・血管系疾患など原因となる疾患があるために高血圧になる「二次性高血圧」があります。このタイプは原因がはっきりしていますので、その原因治療が高血圧の治療になります。しかし、「二次性高血圧」の人は、全体の数%しかいません。つまり、高血圧の原因は、そのほとんどにおいて、わかっていないというのが真相です。

高血圧の場合

高血圧を引き起こす生活習慣とは?

高血圧になっていく要因は、生活習慣にあるとも言われています。その要因となる要素を上げてみました。

【塩分】

塩分を取りすぎると血液中の水分が増加し、循環血液量が多く成るため血圧が上がります。血圧が高いときに、塩分は控えめにとよく言われるのはそのためです。

【肥満】

心臓は肥満のからだの隅ずみまで血液を供給するためにポンプの力を強めねばならず、圧力が高くなります。また、肥満の人は、過食から脂質代謝異常症(高脂血症)や糖尿病を合併して、動脈硬化を引き起こしていることが多いことも原因の一つと考えられています。

【運動不足】

まず運動不足により上記の肥満になります。また血管の中も不純物が蓄積し、動脈硬化(血管が硬くなる)の原因となります。

【ストレス】

睡眠不足・精神的な緊張は交感神経を刺激して血圧を上げます。非常に大きな要因とも言われています。

【不眠】

睡眠不足・精神的な緊張は交感神経を刺激して血圧を上げます。寝ていないというのは、体にとってストレス状態であるということです。

【お酒】

長期のアルコール摂取は血圧を上昇させます。

高血圧をほおっておくとどうなるの?

高血圧が合併症を引き起こすことをご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、実のところ、高血圧でもはじめから色々な合併症を引き起こすわけではなく、長い期間、血圧が高いまま放置しておくことで他の病気と合併症がでてきます。

高血圧の合併用を考える上で最も重要なキーワードは、「動脈硬化」です。「動脈硬化」とは、血管の壁にコレステロールが沈着して血管の内腔がせまくなる状態をいいます。その結果、血管が弾力を失ってしまいます。高血圧を引き起こした原因に「動脈硬化」がある場合の他、高血圧の放置により、血管へのダメージが進行し「動脈硬化」を引き起こす場合もあります。

「動脈硬化」により血管内腔が狭くなると、血液の流れる抵抗が増え、血圧はますます上昇します。高血圧と動脈硬化とは相乗効果で悪化していくのです。

引き起こされた動脈硬化により、最終的には血管がつまり、種々の合併症が引き起こされるというところにつながっていきます。

血管が詰まっておきる病気

【脳梗塞】

脳血管障害は我が国死亡原因の第位。死亡しなくても寝たきりになる最も大きな原因は脳血管障害です。中で最も頻度が多いのが脳梗塞・脳血栓などの虚血性脳血管障害であり、症状の前兆を見極め、正しい治療が必要となります。

脳血栓とは、脳の血管に動脈硬化などの変化が起こり、そのような部分に血液が固まって血管が細くなったり、つまってしまった状態です。

脳塞栓とは、心臓や心臓を出てから脳に至る前の血管の中で血液が固まった血栓が出来て、これが血液の流れに乗って脳の血管に入り込んで脳の血管をつめてしまう状態です。

いずれの場合も血液が不足したままだと脳の組織が梗塞になってしまいますが、早期に脳の血流が改善すると脳梗塞をのがれたり、障害を最小限で食い止めることが可能になります。

高血圧、高脂血症、糖尿病などの治療中に手足が麻痺したらすぐ、1~2時間以内に専門病院に駆けつけなければいけません。麻痺の原因が脳梗塞の時、最新治療が有効なのは発症数時間以内です。翌日まで麻痺を我慢していては、ある程度の後遺症が残ることは覚悟しなければなりません。

【心筋梗塞(狭心症)】

コレステロールが高い人、肥満の人、血圧が高い人などは心臓に血液を送る血管が硬くなって十分に血液が流れなくなって起こります。心筋梗塞(狭心症)は、胸が痛くなる、それも締め付けられるような状態になる代表的な病気です。狭心症は放置すると心筋梗塞に移行することが多く、心筋梗塞は多くの人が亡くなる きわめて死亡率が高い怖い病気です。

【閉塞性動脈閉塞症】

特に足では、動脈硬化が進行すると動脈の閉塞により足の動脈が狭くなったり(狭窄)、ふさがったり(閉塞)して、足がいつも冷たかったり、しびれたり、間歇跛行(かんけつはこう)といって歩くと下腿(ふるらはぎ)の筋肉が痛くなるなどの症状がでてきます。この様な病気を閉塞性動脈硬化症と呼んでいます。

血管の破裂によっておきる病気

【脳出血】

脳の血管が、圧力でやぶれ出血し、血液が脳組織の中に侵入して脳機能障害がおこることをいいます。突発的で死亡率の高い疾患です。

【胸部・腹部大動脈瘤破裂】

動脈硬化により血管の弾力性が低下すると、高血圧により血管がこぶの様に膨らんだ状態になってしまいます。これが大動脈瘤です。大動脈瘤破裂は、突然の胸痛で発症し、破裂すると80%以上が死亡してしまう高い死亡率の疾患です。

腎臓に影響を与えておきる病気

【腎硬化症】

腎臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓へ流れる血液の量が減ることによって腎臓の機能が低下してくる疾患です。

心臓に影響を与えておきる病気

【心臓肥大(心不全)】

高い血圧が続くと心臓はより強い力で血液を送り出さないといけなくなります。そのため心臓の筋肉が徐々に厚くなり、心肥大が起こります。またこのような状態が長く続くと次第に心臓の力がなくなり血液を送り出せなくなってきます。この状態を心不全と呼びます。

まとめ・・・少しずつ取り組んでみよう

いかがでしたでしょうか。高血圧は長年の放置が他の病気を引き寄せていく仕組みです。早いうちから、生活習慣などで取り組めそうなところから手を付けてみましょう。早急な結果を望むというよりも、息の長い付き合いのつもりで、改善されて表れてくる結果を楽しみに待つぐらいの気持ちで取り組んでみてください。

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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