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目で見るでべそ・・・「でべそ」と「臍(さい)ヘルニア」の違いをチェックしてみよう

 2016/03/22 コラム チェックリスト 症状
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おへそ

目で見るでべそ・・・「でべそ」と「臍ヘルニア」の違いをチェックしてみよう

おへそがぽこっと膨らむ、いわゆるでべそには、病気が伴う種類のものがあります。病気のものと、病気じゃないもの、その違いは? 手術をしたらどのぐらい綺麗になるの? 目で見られる形でまとめました。

でべそって? 実は2種類ある でべそのタイプ

そもそもお臍は、赤ちゃんが生まれたときにお母さんと繋がっていた臍帯(へその緒)といわれている部分が残っている部分です。 通常は切断された後に、乾燥脱落した断端が収縮して陥凹(かんぼつ)した状態となります。本来、陥凹すべき部分が陥凹しないで、逆に突出していることがあり、この状態を臍突出症と呼んでおり、俗に言う『でべそ』です。

『でべそ』には簡単に2種類あり、

1.単純に皮膚だけが飛び出しているもの=臍突出症
2.ヘルニアを伴うもの=臍ヘルニア

に分けられます。

【皮膚だけが飛び出しているでべそ】

皮膚だけが飛び出しているでべそ

臍輪が閉じており、瘢痕組織だけで皮膚が押し上げられ、臍突出を呈しているもので一般的な「でべそ」です。(臍突出症)

【ヘルニアを伴うでべそ=臍(さい)ヘルニア】

ヘルニアを伴うでべそ=臍(さい)ヘルニア

臍輪が開いており腹腔内容が皮膚、腹膜に包まれた形で脱出しているもので「臍ヘルニア」と呼ばれています。

横から見た臍ヘルニア

横から見た臍ヘルニア

なぜ、でべそになるの?

臍帯が腹腔内から体外に出る部分は、臍輪と呼ばれていますが、そもそも臍輪は、硬い線維からなり、臍帯の周囲をしっかりと輪状にとりまいています。それによって腹腔内容(胃や腸)が体外に飛び出ないように維持しているのです。ほとんど小児期に正常の陥凹した臍となります。

大人になってからなる、臍ヘルニアというでべそ

しかし臍輪は、薄く脆弱であり、成人で、妊娠や肥満が原因で腹腔内圧が上昇すると、臍ヘルニアを生ずることがあるのです。

チェックしてみよう!あなたのでべそは、単なるでべそ?それとも、臍ヘルニア?

次の中で、思い当たる症状はありますか?

ひとつでも思い当たる症状があったら、『臍ヘルニア』かもしれません。専門医のいる病院を受診し、正確に診断してもらいましょう。

□ 妊娠してからでべそになった。
□ 臍部が膨らみ、痛みがある
□ 肥満になり、でべそになった。

小児の臍ヘルニアの対応

赤ちゃんの臍ヘルニアは1歳でほぼ自然治癒します。しかし、1歳を過ぎても、治癒が見られない場合、病院で診察を受けることをお勧めします。手術の必要がある可能性があります。

でべその種類で大きく変わる「手術適応」

でべそを治す、には手術しか方法がありません。手術を行う際、手術理由が何に当たるのかで、保険適応の範囲が変わります。基本的に『でべそ』は機能的には障害がないため、手術は、形態的な改善のために行われます。しかし、臍ヘルニアは、形態だけでなく、機能的な理由により手術を必要とします。

臍ヘルニアの手術方法

基本的にはとび出した部分の処理をしたあと、陥凹した臍を再建(作り直し)します。

手術前の臍ヘルニア

手術前の臍ヘルニア
手術直後の様子

手術直後の様子

必見!中身で違う手術時の保険適応

『臍ヘルニアを伴うでべそ』の手術は保険適応可能です。一般的な『でべそ』(臍突出症)の手術はいわゆる”美容形成手術”ですので保険適応にはなりません。

ご自身がどちらのタイプなのかは、専門医の診断が必要です。ただどちらのタイプだったとしても、初診料は保険適応ですのでご安心くださいね。

自分のおへそについて、ずっと気になっていた方は一度受診して、どちらのタイプなのか確認してみることをお勧めします。

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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