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長時間の立ち仕事で、足に違和感が出てきたら・・・30秒でここをチェック

 2016/02/16 コラム チェックリスト 予防 症状
この記事は約 7 分で読めます。
美容師

美容師さん、店舗や厨房のスタッフ、工場のライン勤務・・・などなど、長時間の立ち仕事の方、案外多くいらっしゃいます。

そんな立ち仕事で、足にできやすい病気、下肢静脈瘤。症状に気がつきにくいこの病気について、よくある質問を交えてまとめました。

これって下肢静脈瘤なのかな?

下肢静脈瘤は、足の血管がボコボコふくれてくることが多い病気です。症状は足のかゆみ、ほてりといった不快感からはじまり、静脈血管が浮き出る、湿疹が出る、色素沈着、歩行困難、出血、潰瘍と進行します。不快感があっても、日常範囲内だからと、症状に気が付かない人が多いこの病気。

初期症状はどんなものなのか?また、かかりやすい人にはどのような特徴があるでしょうか?チェックリストにしてみましたので試してみてください。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤チェックリストはこちら!

いくつチェックがつきますか?約30秒で終わります。ぜひ試してみてください。ではどうぞ!

□ 足がだるい・重い

□ 足が疲れやすい

□ 足がつる

□ 足がむくむ

□ 足がほてる

□ 足がかゆい

□ 足の湿疹が治らない

□ 長時間の立ち仕事(調理師、美容師、教師、販売、警備など)に従事している

□ 血縁に静脈瘤の親、兄弟がいる

□ 出産経験が多い

□ 妊娠中で青い血管がだんだん浮き上がってきた

【診断】

3つ以上当てはまった方。あなたも下肢静脈瘤があるかもしれません。一度専門医にご相談下さい。

下肢静脈瘤のできやすい人とは?

静脈瘤が出来やすい人の条件をまとめてみました。生まれつき静脈の弁が弱いためか若くして静脈瘤の方もときどきいらっしゃいますが、多くは年齢と共に、あるいは妊娠や立ち仕事と共に静脈の弁が痛んで静脈瘤になる人がほとんどです。

・長時間の立ち仕事をしている方:調理師、美容師、教師、販売、警備、建設業などの力仕事、外科医?

・加齢:特に50歳以上、女性が7

・出産経験が多い人、妊娠中の女性

・血縁に静脈瘤がある方

どうして血管ガボコボコに?下肢静脈瘤ができるまで

それにしても、なぜ足の血管がこんなにボコボコ浮いてくるんでしょうか?それを解説した動画がこちらです。血管の絵から、なんとなく雰囲気はつかめるかもしれません。(45秒で見られます。音はありません)

では4ステップで順を追って解説していきます。

1、このボコボコの原因は、実はあしの付け根から始まる、太ももの内側に隠れている血管(大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃく)が原因です。太ももの内側を走行する静脈は筋膜の下に隠れているため外からは分かりません。

2、正常な静脈は、心臓に向かって下から上へ流れていきます。 静脈には、所々に上から下へ逆流しないように逆流防止弁が備わっています。

3、この逆流防止弁が壊れることにより、心臓に戻っていくはずの血液が徐々に逆流し始めます。

4、太ももの内側にある大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃくの逆流防止弁がすべて壊れてしまうと、血液の逆流がふくらはぎに到達し、血管がボコボコ膨らみ始めます。血液が逆流しているのです!

下肢静脈瘤の治療の目的は、大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃくの流れを止めること。ボコボコだけを取り除いても解決になりません。

下肢静脈瘤の実際 Q&Aから見る患者の声

ここでは、専門病院へ寄せられた下肢静脈瘤への質問に、専門医の先生が回答した事例をご紹介します。協力:寺田病院下肢静脈瘤センター(東京都)

下肢静脈瘤の実際 Q1:確実にひどくなっていく主人の下肢静脈瘤が心配です。

【質問Q】:確実にひどくなっていく主人の下肢静脈瘤が心配です。主人の両足に下肢静脈瘤があります。現在、足首から膝上まで血管が浮き上がっている状態です。足首の少し上の辺りは黒ずんでいます。周囲の人たちからは、「すごいから病院に行きなよ」と言われるほどで、私も結構すごいほうだと思っています。

しかし、数年前、最寄りの病院に一度だけ行ったのですが、その時は大丈夫だと言われました。その後ひどくなっているのですが、主人は大丈夫だと言って病院へ行きたがりません。

大丈夫と言う人もいれば、放っておいたら血管が詰まって、運悪く血の塊が他へ飛ぶと命に係わるという人もいます。実際はどうなんでしょうか?再度病院へ無理してでも連れて行くべきでしょうか?

【回答A】:「大丈夫と言う人もいれば、ほかっておいたら血管が詰まって、運悪く血の塊が他へ飛ぶと命に係わるという人もいます」

→ この二つの意見はよく聞かれますが、どちらも間違いです。

まず第一に、放っておいても大丈夫な方もいらっしゃいますが、この方のように数年前より増悪し皮膚が黒ずんできている方は近い将来潰瘍を形成する可能性が高いです。皮膚が黒くなっているのはかなり程度がひどいと思われ、今後潰瘍になるとなかなか治しにくくなります。薬では治りません。是非、根治的な治療をおすすめします。片足なら日帰り、両足でも一泊二日で治療可能です。是非ご検討ください。

第二に、血管が詰まって、塊が飛んで命に関わるというのはほとんどありません。命に関わることはありませんので、その点はご安心ください。したがって、命に関わるから手術した方が良いという説明は間違いです。ですので何が何でも病院へ行けとは言いませんが、治療することにより生活の質が上がり、治療して良かったと喜ばれる方がほとんどです。

下肢静脈瘤の実際 Q2:初期の静脈瘤と言われました。手術は嫌です。漢方薬で治りますか?

【質問Q】:1年程前に、左ふくらはぎの血管が浮いるように見え病院を受診したところ、初期の静脈瘤といわれました。その時は手術するほどでもなく、ストッキングを履くなどして様子を見ることになりました。ひどくなったらまた来るように言われ、治療は特にしていません。

その時に気になったのは1本の血管でしたが、最近、他の血管も以前と比べると浮いてきているように感じています。 だるさや痛みは特にありませんが、気になってきたのをきっかけに、ネット検索をしていたところ、漢方薬で軽減できるような内容をみつけ、そちらの病院のホームページに辿り着きました。 気になるといっても、数本の血管が少し浮いているように見える程度です。私は手術には抵抗があります。そちらで受診をして漢方薬を処方しての治療は可能でしょうか?

【回答A】:まずは漢方薬の件から回答しますと、静脈瘤がひどく目立つ人は漢方薬の内服でうすくなることはありますが、 数本の目立つ静脈が漢方の内服だけで目立たなくなることは少ないと思います。

まずは、正常な静脈が目立っているだけなのか、静脈瘤なのかを判断する必要があると思います。目立つ静脈瘤を目立たなくするには、手術以外にも、硬化療法という注射で治す治療法もあるので、治療希望があるようでしたら一度拝見させて頂けると幸いです。

下肢静脈瘤の実際 Q3:気づいたら茶色い変色が・・・

【質問Q】:一年以上前から左脚の脛に痒みがあり、気が付くと茶色に変色しています。最近は少し浮腫もあり、細かい発疹やクモの巣状の血管が見えてきました。仕事は警備、受付です。治療した方が良いでしょうか?

【回答A】:かゆみや茶色の変色、むくみなどは静脈瘤に伴う静脈うっ滞が原因の可能性があります。ただし、クモの巣状静脈瘤だけでは上記の症状の原因になることはありません。太い静脈が壊れているのかいないのかは、超音波検査にて検査する必要あります。そこで太い静脈が壊れている場合は手術治療を受けた方がよいかもしれませんね。なおクモの巣状静脈瘤であれば治療は不要なことが多いです。静脈瘤が心配な方は、超音波検査含めた専門医の診察を受けることをお勧めいたします。

下肢静脈瘤の実際 Q4:進行を止めるストッキングはどれがいい?

【質問Q】:総合病院で肺気腫・気管支喘息治療中に、下肢静脈瘤を指摘されました。 現在では特に症状は気になりませんが、血管が多少出ているように見えます。すすめられたので、現在市販のソックスを使用していますが、進行がしないように努力したいと思っています。適当なものをご指導願えないでしょうか。もう少し強くて適度なソックスは無いものでしょうか?

【回答A】:静脈うっ滞による症状(だるい、むくむ、こむら返り)がなければ、市販のストッキングで十分だと思います。どうしても強圧のものを希望される場合は、下肢静脈瘤専門外来を行っている病院を受診して頂き、診察を受けて頂いたうえで適切な圧およびサイズのストッキングを処方してもらうことをお勧めいたします。

医師に相談する方はこちらを参考にしてください。
 【日本全国】下肢静脈瘤専門医のいる病院

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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