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子供や赤ちゃんの吐き気や嘔吐の原因は?代表的な病気と対処のまとめ

 2016/04/13 コラム 子供 病名 症状
この記事は約 5 分で読めます。
あかちゃん

吐くというのは、消化器の症状です。対応を誤ると脱水症状につながることがあります。ここでは急に吐いたときの対応や、子供や赤ちゃんが吐いたときに考えられる一般的な病気についてまとめました。

吐いたらまず行うこと

嘔吐時には、まず、病的なものであるか、確認からはじめます。

嘔吐は、特に乳児の場合は、比較的よく起きるものです。母乳や人工乳(ミルク)の与えすぎによって起きる吐乳や、咳き込みによって起きることもあります。

口の端からだらだらとあふれるように出てくる吐乳を、溢乳(いつにゅう)と呼びます。胃の入口(噴門ふんもん といいます)の締りが悪いために、飲んだものが食道を逆流して溢れ出る噴門弛緩症(ふんもん しかんしょう)も原因となります。

空気も一緒に嘔吐する場合は、げっぷをさせるようにします。嘔吐したときは、子ども自身も驚いていますので、まずは安心させるために抱いて落ち着かせましょう。

この嘔吐が、病気だなと思った時

嘔吐が病的なものであると疑われる場合は、何よりも脱水に注意します。水分を口から摂取できない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

下痢を伴う場合は、脱水がより早く、1日で強度の脱水症状に陥ることがあります。

下痢についてはこちらの記事を参考ください。
 子供の急な下痢、気になる原因、食事から便の見方まで、病気と対応のまとめ

嘔吐の判断基準、保育園ではどうしている?保育園の対応ガイドライン

保育園

嘔吐がある時、保育園ではどう対応しているでしょうか? 厚生労働省による保育所での対応の方針をまとめたガイドライン(政府や団体が示す、大まかな指針や指導目標のこと)を見ていきましょう。

保育所における感染症対策ガイドライン(2012年改訂版)より

登園を控えるのが望ましい場合

  • 24時間以内に2回以上の嘔吐がある
  • 嘔吐に伴い、いつもより体温が高めである
  • 食欲がなく、水分も欲しがらない
  • 機嫌が悪く、元気がない
  • 顔色が悪くぐったりしている

保育が可能な場合

  • 感染のおそれがないと診断されたとき
  • 24時間以内に2回以上の嘔吐がない
  • 発熱が見られない
  • 水分摂取ができ食欲がある
  • 機嫌がよく元気である
  • 顔色が良い

保育者への連絡が望ましい場合

  • 咳を伴わない嘔吐がある
  • 元気がなく機嫌、顔色が悪い
  • 2回以上の嘔吐があり、水を飲んでも吐く
  • 吐き気が止まらない
  • お腹を痛がる

至急受診が必要と考えられる場合

  • 嘔吐の回数が多く顔色が悪いとき
  • 元気がなく、ぐったりしているとき
  • 水分が摂取できないとき
  • 血液やコーヒーのかすのような物を吐いたとき
  • 頻回の下痢や血液の混じった便が出たとき
  • 発熱、腹痛の症状があるとき
  • 脱水症状と思われるとき
    ▶尿が半日以上出ない
    ▶落ちくぼんで見える目
    ▶唇や舌が乾いている
    ▶張りのない皮膚や陰嚢

嘔吐がある場合の代表的な病気

嘔吐を伴う病気にはどんなものがあるのでしょうか? 代表的な病名をあげていきます。

肥厚性門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)

生後2~3週頃から、胃の出口の筋肉(幽門輪筋)が肥厚してくることが原因します。胆汁を含まない透明な胃液を噴水状に嘔吐します。脱水、体重増加不良が見られ、上腹部の右側に触ると、腫瘤(しこり)があることがわかります。
肥厚性幽門狭窄症の場合、水分栄養が不足しているため喉のどが渇き、空腹になるため、嘔吐はしても母乳やミルクを飲む力(哺乳力)は良好です。

先天性腸閉鎖症

生まれつき腸や肛門が閉塞していたり、腸の運動機能が悪かったりする場合に見られます。胆汁を含んだ緑色の嘔吐をします。腹部の膨満が見られます。

周期性嘔吐症(アセトン血性嘔吐症、自家中毒症)

原因は特定できず、病原体の感染やストレスがきっかけとなります。2~10歳の小児に多く見らます。起床時に急に元気がなくなり嘔吐するといった症状を繰り返します。

ノロウイルス感染症

ノロウイルスの経口感染が原因となり、大流行します。嘔吐のほか下痢を主な症状とします。1~2日で治癒することが多いのですが、獲得した免疫効果は、短時間でなくなるため、何度も感染し発症する可能性があります。

乳児嘔吐下痢症

上記にノロウイルスをあげましたが、主に、冬期に流行するロタウイルスやノロウイルスなどによる胃腸炎のことを乳児嘔吐下痢症といいます。突然の嘔吐、下痢を起こすものです。

神経性食思不振症(拒食症)

摂食障害の1つで、小学校低学年ぐらいから中学生にかけて、几帳面で真面目な女児に多く見られる神経性食思不振症(拒食症)があります。症状のひとつに、体重が少しでも増えていると嘔吐・排泄しようとする、というものがあります。本人に病気の自覚がない(病識が乏しい)場合がほとんどですので、医療機関の受診が必要です。

まとめ 嘔吐は脱水に気をつけて

子どもや赤ちゃんは、自分ではうまく症状を伝えられません。ですので、周囲の大人が「見る」「観察する」事が重要です。あれ、いつもと違うかも、ちょっとおかしいな、と思うお母さんの感覚、とっても大切です。違和感を見つけたらその感覚を信じて対応していきましょう。嘔吐が続く場合はすぐに病院を受診して診断してください。

嘔吐の場合、出ているものは水分ですので、脱水には注意してあげてください。脱水は、体重に対する水分の割合で見ていくのですが、体重の1.7~3.3%以上の水分がなくなると血液濃縮が起こり、4%の水分喪失で運動が困難になります。症状としては、だるさ、頭痛、吐き気などが出て進行すると意識を失います。脱水で起こってくる症状は重度に及びます。そうなる前の水分補給が大切です。

参照  子どもの保健検定2級・3級公式テキスト(日本医学検定協会 )

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あかちゃん

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。


僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。


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