ゴルフ前に6分間やるだけ。ケガがぐーんと減るストレッチ

スポーツは楽しいものですが、同時にケガがつきもの。特にゴルフは「たまの付き合い」として楽しむ方も多いスポーツです。
日頃からある程度の筋力強化やストレッチは心がけてゆきたいものですが、普段ストレッチや筋力強化等の準備をしていない人が突然プレーを始めるのはケガの要因。ゴルフはスポーツであることを忘れずに。ここではそんなゴルフの前に始めたい、ストレッチのご紹介です。
Contents
6分間ストレッチ
ゴルフは全力で体をねじったり、腕を使ったりするので、腕、腰などに負担がかかりやすくなっています。ここでは全身一通りのストレッチをする6分間ストレッチをご紹介します。ゴルフクラブも使うストレッチです。
どこに作用しているのかを意識すると、筋肉のストレッチ効果が高まります。お試しください。
※引用:「ボブ・アンダーソンのストッレチ」
アキレス腱伸ばし
壁に頭をつけ、足を後ろに押し出し、体は前に押します。左右各20秒。アキレス腱を伸ばします。
腕の筋肉伸ばし
両腕をできるだけ高く上に引き上げます。15秒。体側から腕の筋肉が伸びます。
肩ほぐし
片腕ずつ、背中側にひじから折り曲げ、ひじを押して肩をほぐします。左右各10秒×2回体側、肩甲骨、腕をほぐしています。
アキレス腱伸ばし
腰に重心を感じながら足を屈伸します。20秒。アキレス腱を伸ばします。
手首と手の上下の筋伸ばし
腕を前に伸ばして手首から上下に伸ばします。上下各10秒。手首と手の上下の筋を伸ばします。
腕と指の筋肉伸ばし
ひじを体側に付けたまま、手を力いっぱい開閉します。開閉各10秒。腕と指の筋肉を伸ばします。
手首の筋伸ばし
手のひらをみぞおちの前で合わせて下方向に押し付けます。10秒。手首の筋を伸ばします。
手首回りのストレッチ
顔の前で手を握手させて、手首を回します。左右各15秒。手首回りをストレッチしています。
ひじ下の筋肉伸ばし
スイング時、振り上げた時のかっこうで、上側の手で下腕のひじを持ちあげます。左右10秒。ひじ下の筋肉が伸びます。
臀部から体側伸ばし
ゴルフクラブを肩に担いで、腕をひっかけて、腰から左右にねじります。左右各10秒。臀部から体側を伸ばします。
体側伸ばし
ゴルフクラブの両端をもって、左右に倒します。各10秒。体側を伸ばします。
足首付近の筋肉のストレッチ
足首を回します。左右各15回。足首付近の筋肉のストレッチです。
肩回りの筋肉ストレッチ
力いっぱい、5秒間肩を上に引き上げたら一気に脱力します。3回。肩回りの筋肉をストレッチです。
首周りの筋肉伸ばし
左右、できる範囲で後ろを向きます。頑張りすぎず、気持ちよいところまでにしてください。左右各5秒。首周りの筋肉を伸ばします。
胸の筋肉、腕の筋肉のストレッチ
腕を顔の前で組んで、左右から力いっぱい押した後、脱力します。3回。胸の筋肉、腕の筋肉のストレッチです。
体側が伸ばし
クラブを両手で持ち上げ、全身で伸びるようにクラブを真上に引き上げます。15秒。体側が伸びます。
ストレッチをすすめる理由・・・スポーツと突然死
行う前は長く感じることもあるのかもしれない「6分」ですが、全身を一通り慣らすのにかかる時間です。練習の前にラウンドの前に、ぜひお試しいただきたいと思います。というのも、40~50代のスポーツ中の突然死はゴルフでの比率が最も多くなっているからです。(もちろんスポーツ人口が多いということもありますが)
『突然死』の定義はWHOによると予期せぬ急性発症のうち24時間以内の死亡であり、そのほとんどは内因(事故などを原因としない)死とされます。スポーツ選手の場合、突然死の頻度は一般人の約10倍とされています。
スポーツ中の突然死された方の調査では通常の健康診断では何も異常がなかった人が約九割を占めます。しかし解剖などから、そのうち八割に基礎疾患が認められ、その八割は心筋梗塞や重症不整脈などの心疾患です。中でも心筋梗塞はもっとも重要な疾患で、発症時に即最善の医療をほどこしてもなお一割近くの人が死亡するという統計があります。
■突然死の年齢分布
年齢(歳) | ~9 | ~19 | ~29 | ~39 | ~49 | ~59 | ~69 | 70~ | 計 |
17 | 199 | 54 | 56 | 74 | 87 | 75 | 62 | 624 |
■スポーツ種目別の突然死危険率(40~59歳)
スポーツ種目 | 死亡率 | 相対危険率 |
ゴルフ | 41 | 0.6 |
ランニング | 33 | 1.0 |
水泳 | 14 | 0.6 |
スキー | 12 | 1.9 |
登山 | 11 | 1.8 |
野球 | 10 | 1.2 |
テニス | 8 | 0.3 |
卓球 | 6 | 0.7 |
剣道 | 6 | 2.5 |
*相対危険率はランニングの危険率を1.0とし求めた
(1991年 徳留省悟 突然死-スポーツ中の突然死CARDIAC PRACTICE参考)
■スポーツ中の突然死の死因
~39歳 | 40~64歳 | 65歳~ | |
心臓血管系 | 278 | 177 | 87 |
脳血管系 | 14 | 23 | 9 |
呼吸器系 | 5 | 1 | 1 |
溺死 | 16 | 0 | 0 |
熱中症 | 6 | 0 | 0 |
不詳・その他 | 7 | 0 | 0 |
計 | 326 | 201 | 97 |
各年代に通じてほとんどが心臓血管系を原因とした死亡である点が重大なポイントであり、若年者では急性心不全(原因不明の青壮年急死症候群)によるものが多い一方、高齢になると虚血性心疾患が増加する傾向にあることがこの原因と考えられます。
心筋症 :若年者では運動中に多く、心臓の筋肉内細動脈病変による心筋虚血が考えられていますが、中高年者の場合は安静時の突然死が多く、不整脈が関与しているとされています。
虚血性心疾患:狭心痛の無い本症を無症候性心筋虚血といいます。もちろん虚血程度が軽微である場合はもちろん、糖尿病などのために痛覚の閾値が高いという場合もあります。無症候性心筋虚血はホルター心電図および負荷心電図の両者によりほぼ診断が得られます。
心室性不整脈:スポーツの可否を判断する際にこの不整脈の頻度が大きな問題になります。
まとめ・・・全身をあたためる準備運動してからゴルフをどうぞ!
結局のところ基礎疾患を有するものの場合は運動前にしっかりと病状の把握をして、病状に見合った運動制限が必要ですので運動前にきちんとした『メディカルチェック』を受けられればそれに越したことはありませんが、日ごろスポーツをしない人でも、いきなりハードな運動で体に負荷をかける前に、準備運動やならし、ストレッチなどはやはりおすすめしたいものです。
体の一部だけではなく、全身の血行がよくなり、体全体があたたまるような全身運動を準備体操として行うことをおすすめします。