はじめてのガン・・・がんの疑いが出たら読んでおきたい5つの基礎知識

初めて自分の身に「がん」の疑いが出た・・・。かなりの衝撃とショックが走る出来事ですね。
がん、と聞くと助からない大きな病気というイメージがあるのかもしれませんが、早期発見での治療では治癒率が高い病気です。
つまり、がんは治る病気。イメージで怖がらず、対応することで治癒につながっていきます。まずは知っておきたいガンの基礎知識について10項目にまとめました。
Contents
がんってどういうこと?体がどうなっているの?
がん、とは悪性腫瘍のことです。
体内にできる細胞のかたまりを腫瘍と呼びます。腫瘍には良性と悪性があります。
細胞は、通常、新陳代謝を繰り返し増減に規則性を持っていますが、悪性腫瘍は細胞が暴走的にどんどん増える状態です。
例えば、異常増殖する細胞が内臓にあると、内臓の本来の働きは阻害され正常に働けなくなります。それががんにかかった状態です。がんは、ほおっておくとどんどんと周りの組織に浸透したり転移したりと広がりを見せます。
がんの症状についてはすべてが解明されているわけではなく、なぜがんになるのか?どうして細胞が「がん化」するのか?については仮説になっています。
ポリープ(腫瘍)とガンの違い
がんの出来る臓器によっては、がんになる前段階の病気があります。代表的なものに大腸ポリープがあります。大腸にポリープができた、大腸がんになった、これらは大腸の状態のどこが違うのでしょうか?ポリープとがんって違う代物なのでしょうか?
ポリープとは、臓器内側の壁にできた、腫瘍(しゅよう)の総称です。ポリープ=悪いもの、また真逆で、ポリープは問題ない、など色々な誤解をされている方がいますが、大腸ポリープには、そのまま放置しておいても大丈夫な良性のものや、がんになるものなど、いくつかの種類があります。
その種類を確かめるためには大腸内視鏡で観察し、切除して病理検査をしなければその種類はわかりません。バリウム検査などでポリープを指摘された場合は、大腸内視鏡を行いましょう。
目で見るがん、種類と症状
がんは部位別によって症状が異なります。詳しい症状については各ページをご覧ください。胃がん、大腸がん、食道がんについて、患部写真を掲載しています。病院でご自身の患部写真を貰っている方は比較してみてください。
がん患者の増加、死亡率の低下
日本人の2人に1人はがんにかかるとも言われており、がんにかかっている人の数は年々増加傾向にあります。男女ともその数は増えており2010年のがん罹患数は1985年の約2.5倍。
しかし、がんによる死亡率をみると、1995年から減少傾向にあります。医療技術の進化に伴い、がんによる死亡率は減っています。
(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター調査http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html)
がんの治癒率をあわらす「5年生存率」
がんは転移という性質を持っていることもあり、治療の終わりを見る時に診断から5年後の生存率を見ます。治療時に見つからなかった他部位のがんが再び見つかるのは5年以内であることが多いことから5年で再発なしの場合を治ったとみなします。(※部位により10年もあります)
がんの5年後生存率は、部位によって大きく異なりますが、全部位の合計値で見ると、男性で50%以上、女性では60%以上ががんにかかってから5年以上生存しています。また、がんの生存率は上昇傾向にあります。
(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター調査http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html)
意外に高い初期発見の治癒力・・・早期発見でがんは治る
日本人のがんで最も多いのは大腸、次いで胃、と続きます(男女合計)が、大腸がんも胃がんも、早期発見で9割以上治ります。日本人の罹患数1位の大腸がんは比較的おとなしい性質のがんで、胃がんや肺がんなどと比べると成長が遅く、リンパ節転移も少ないので、早期発見の初期状態での治療だと100%完治する病気です。
ただ、両者とも初期症状・自覚症状がないために早期発見が難しい部分もあります。早期発見の場合、健康診断や他の検診のついでに見つかったということがほとんどです。
当サイトで胃がん、大腸がん、のセルフチェックのついた記事をまとめました。体の違和感をさぐるためにぜひご活用ください。
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がんの進行度・・・ステージと進達率
がんの病状を示すのに、ステージという単位を使います。がんのステージは5段階あります。(0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)がん細胞がその場所でとどまっているのか、周囲または全身へ広がっているのかでステージはかわります。ステージの判定には、3つの状態がかかわります。
1、その場での大きさ・広がり
具体的ながんの塊の大きさ、深さなどのことです。
2、リンパ節への転移
がん細胞は周囲のリンパ管から全身へ広がろうとします。途中のリンパ節はがん細胞の広がりを抑えようと働きます。そのリンパ節にがん細胞が認められるかでリンパ節転移を判断します。
3、他臓器への転移
がん細胞は周囲の血管からも全身へ広がろうとします。血液にがん細胞が混じり、肝臓や肺、骨、脳などに飛んでいきます。これを血行性転移と呼び、この転移の有無で判断されます。
ガンの検査
実際にガンを見つけるためには検査や診断が必要になります。ガンの検査にはどのようなものがあるか、まとめた記事はこちらです。CT検査、内視鏡以外にも、血液検査など検査についてまとめています。検査内容や金額については各医療機関で異なりますので、目安としてご利用ください。
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腫瘍マーカーとは?
がんの検査でよく聞く腫瘍マーカーという言葉。これはがんがあるかの目安になる「検査の数値」のことです。
がんにかかった細胞からは、特殊な物質が血中に流れ込むのですが、その物質を血液検査で計測した値を腫瘍マーカーといいます。ペンや検査器具、腫瘍のある場所ではありませんのでご注意を。
がんの種類によって、血中に交じる特殊な物質の量は異なっており、目安の値もそれぞれにあります。腫瘍マーカーが高いと他の検査で詳しくがんの有無を調べていきます。
この値に対する誤解は様々あるようです。以下に上げたものが、正しい表記です。
・値の高い、低いは個人差がある。値がすべてではない。正常値=治癒ではない。
・値が高いからといって、より状態が悪いわけではない。
・値が高いからといって、進行度とは関係ない。
自己判断は危険な数値です。わからない部分については、主治医や看護師さんに聞きましょう。
がんの3つの治療法
がんの治療には、3つの治療方法があります。3つを比較するとわかりやすいですね。これら3つを合わせての治療になることが多いがんの治療。医師との相談を密に取って納得の治療を受けてください。
1、外科治療:手術する治療法
2、放射線治療:放射線を使った治療法
3、化学療法:薬を使った治療法
まとめ
がんって何?から治療法まで、基本的な部分について一挙にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。もちろん、さらに詳しい部分については、主治医や看護師さんと、しっかりコミュニケーションを取りご相談して行ってください。情報や知識は安心の治療につながります。当サイトがご担当医様とのコミュニケーションのきっかけになれば幸いです。