【ゴルフ・ラグビー・アメフト編】名スポーツドクターに聞く!スポーツ別・起こりやすいスポーツ障害

スポーツには、そのスポーツを長くやることで起こる、ケガや病気があります。「スポーツ障害」と呼ばれるそのケガについて、スポーツドクターに聞きました。種目別に連載でお届けします。
今回はゴルフ、ラグビー、アメフト編です。
Contents
◆スポーツ障害とは?
スポーツ障害とは、長い間スポーツを継続する間に、小さな力が繰り返し加えられることによって生じる障害のことを指します。(ここには突発性、急性のスポーツ外傷は含まれません)。
スポーツ障害について、またこの記事のコメントをいただいた名ドクター湯澤医師については、こちらでご紹介しております。
関連記事▶ スポーツを長くやっている人に起こる、スポーツ障害とは?
◆ゴルフで起こりやすいスポーツ障害とは
では早速、ゴルフで起こりやすい障害から見ていきましょう。ゴルフはスター選手も多く、人気のあるスポーツです。競技人口も多いですね。
【腰】
スイングには腰のひねりが不可欠なためこれが原因で腰を痛めます。
もし腰を痛めた際は、安静が一番大事です。腰痛の原因には様々な因子が考えられますので専門医の診断が大切です。
【肋骨】
打ちっ放しの集中練習で背中や胸が痛くなったら肋骨の疲労骨折を疑いましょう。肋骨骨折は程度にもよりますが最低でも数週間の安静が必要です。
【ひじ】
ゴルフ肘:テニス肘と同じように、上腕骨にくっつく肘のすじを痛めるのがいわゆる「ゴルフ肘」です。スイングのし過ぎは、左肘の親指側ダフリ等のミスショットの多い場合には右肘の親指側(右打ちのとき)に発生します。
【手関節】
ダフったときに手首を捻挫することもあります。
【手】
筋腱という指のすじを痛める障害で、右打ちの人は左手の親指や薬指・小指によく発症します。
◆重要なのはプレー前のストレッチ
これらは当然練習のし過ぎもありますが、普段ストレッチや筋力強化等の準備をしていない人が突然プレーを始めるのも原因の一つです。スポーツであることを忘れずに、日頃からある程度の筋力強化やストレッチは心がけてゆきたいですね。
ゴルフ前の6分間ストレッチはこちらにまとめてあります。あわせてご覧ください。
関連記事▶ ゴルフ前に6分間やるだけ。ケガがぐーんと減るストレッチ
◆ラグビーで起こりやすいスポーツ障害とは
続いて、2015年、世界3位の南アフリカに劇的な逆転勝利を収めたことで大きな話題となったラグビーで、起こりやすい障害を見ていきましょう。
【頭部、頚部のケガ】
スクラムやタックルの際に起こることが多くなっています。頚髄損傷や脳震盪など場合によっては生命にかかわるケースもあるので、万一に備えた救急体制を持つことは大切です。
【肩周辺のケガ】
肩関節脱臼、鎖骨骨折、肩鎖関節脱臼などが代表的でタックル時によく起こります。
【膝のケガ】
タックルされ膝関節を内側に押されて起こることが多いケガです。重症になると内側側副靭帯や前十字靭帯が損傷、断裂することもあります。
見ているだけでも、激しくぶつかるシーンの多いラグビー。激しさ、体への負荷と比例してケガも増加します。
◆アメリカンフットボールはグラフで解説
アメリカンフットボールは、ラグビーより大きなケガが起こりやすいスポーツです。防具をつけているために、タックルや衝突がより激しいものになっているようです。下記グラフよりケガが起こる部位を見ると、全身にまんべんなくケガが起こっている様子がわかります。
引用: 藤谷 博人ほか:関東大学アメリカンフットボール秋季大会公式戦における過去13年間の外傷ー近年の傾向とその対策ー.整形会誌、25:263-268、2006
◆まとめ・・・予防意識・トレーニングとストレッチが大事
どんなスポーツもケガの予防になる事前のストレッチは重要です。
ストレッチは、体の一部ではなく、全身くまなく血が巡る感覚がもてるようなストレッチが効果的です。また全身を上手に使うことで、上達度も高まります。トレーニングは、しすぎても体を痛めます。
ストレッチ、トレーニングメニューを計画的にうまく取り入れることでケガの予防もしていきましょう。