慢性膵炎(まんせいすいえん)
【どんな病気?】
アルコールや胆石が原因で長い年月をかけ、進行性にすすむ膵臓(すいぞう)の病気です。腹痛などを繰り返し、徐々に膵臓の機能が低下していきます。根本的に治すことは難しい難治性の病気の1つです。長期にアルコールを大量に飲んだことのある中高年の男性に多く認められます。急性膵炎に比べ、腹痛などの症状は軽いものの、繰り返し長期にわたります。
【体の症状は?】
繰り返す上腹部痛、背部痛、腹部圧痛などがあります。膵臓の外分泌機能が低下すると、消化吸収障害となり、下痢、脂肪便、体重減少がみられます。また、膵臓の内分泌機能が低下すると糖尿病を認め、口渇、多飲を認めます。
【検査】
腹部レントゲン検査
膵臓の位置に一致して石灰化陰影を認めます。
腹部CT検査
膵臓の萎縮、膵石(石灰化)を認めます。
【治療・処置】
アルコールが原因のことが多いので、禁酒を行います。その他、禁煙、低脂肪食などの生活指導を行います。慢性膵炎の状況により、急性期であれば急性膵炎と同じ治療を行い、痛みがあれば鎮痛薬などを、膵臓の機能不全がある場合には薬物療法で機能を補う治療(消化酵素薬、酸分泌抑制薬、ビタミン薬、インスリンなど)を行います。