マロリーワイス症候群

◆マロリーワイス症候群
【どんな病気?】
マロリーワイス症候群は、MalloryとWeissが1929年に大酒家の頻回嘔吐に続発した大量吐血患者を報告したのが始まりです。上部消化管出血の10%に認められ、一般に30~50 歳代の男性に多いとされています。
急上昇した腹腔内の圧力により、胃–食道の接合部付近に裂け目ができ、出血、吐血、下血を来たす疾患です。原因はアルコールのほか薬剤、妊娠悪阻、乗り物酔い、内視鏡検査などによる嘔吐、怒責(排便時などに下腹部に力を入れること)などがあります。
【体の症状は?】
嘔吐を繰り返すうちに吐物に血液が混じる症状から始まります。この病気の主な症状の90%以上が吐血あるいは下血です。
【検査】
上部内視鏡検査(胃カメラ):内視鏡で、胃-食道接合部の食道下端から、噴門部(胃の入り口)に縦走する粘膜の裂け目を確認します。
さらに詳しく→内視鏡検査って何をするの?
【治療・処置】
基本的に入院の上絶飲食とし、出血の重症度に応じて輸液、輸血を施します。内視鏡検査時に出血している場合は止血処置を施します。強い痛みを伴う場合は、食道破裂の可能性もありますので注意が必要です。