治療費いくらかかる?大腸肛門関連の検査・入院等費用まとめ

検査中の早期発見でほぼ100%治る大腸がんや、日帰り入院ができるようになってきた最近の傾向を見ると、検査を受けてみようかな?と思われる方も増えてきていると思います。
そこで気になるのが、検査や入院などの医療費ではないでしょうか。どれくらいかかるの? 高いの? 実際の金額について、心配になるものですよね。
なので、今回は大腸肛門関連の検査や手術にかかる費用について、実際の所いくらになるのか、病院にインタビューしました。ケース別に一覧にまとめましたのでご利用ください。
Contents
金額が事前にわかると計画的に用意ができる
ここでは、実際に検査・手術実績の非常に多い病院にお伺いして、症状ケース別に、かなり細かく医療費用の概算料金を算出しました。保険会社を利用されている方は、ぜひ事前の相談にご利用ください。
なおこれらは一般的な値段設定であり、実際のかかられた病院によって請求金額が異なりますので、あくまでご参考としてご活用ください。
(協力:医療法人社団俊和会 寺田病院アイビー大腸肛門クリニック 胃・大腸肛門病センター)
外来診察・処置編11例 負担金額は約850円~18,500円
まずは、診察に病院へ訪れた際にかかる費用のまとめです。11ケースあります。かなり専門用語が多くなっていますが、大体こんな感じというイメージだけでもつかめていただけたら幸いです。
※1:これらはすべて3割負担での計算です。
※2:日帰り手術の術前検査(7000円程度)は含まれていません。
3割負担の金額 | ||
CASE1 | 肛門のしこりを気にし、肛門診察(初診)をされ、内外痔核(いぼ痔)と診断され、軟膏2個/日と緩下剤2P/日を14日分処方された。直腸診 | 約1,500円 |
CASE2 | 肛門のしこりを気にし、肛門診察(初診)をされ、内外痔核(いぼ痔)と診断された。外来手術が可能なレベルなので、当日(後日)に日帰り痔核手術(仙骨硬膜外麻酔下に痔核根治術)を施行した。術後痛み止め座薬挿入され、痛み止め,胃薬を3錠/日を5日分処方された。 | 約18,500円 |
CASE3 | 排便時の出血を気にし、肛門診察(初診)と電子肛門鏡をうけた。内外痔核(いぼ痔)もしくは裂肛(切れ痔)と診断され軟膏2個/日と緩下剤2袋/日を14日分処方された。 | 約2,200円 |
CASE4 | 裂肛(切れ痔)による肛門狭窄があり、当日(後日)に日帰り手術(仙骨硬膜外麻酔下に内括約筋側方切開術)を施行した。術後痛み止め座薬挿入され、痛み止め,胃薬を3錠/日を5日分処方された。 | 約18,500円 |
CASE5 | 肛門から、いぼ痔が脱肛し、元に戻らなくなり痛みが強くて来院。肛門診察(初診)をされ、内外痔核(いぼ痔)のかんとんと診断され、用手還納された後、痛み止め座薬挿入され、軟膏2個/日と緩下剤2袋/日を14日分処方された。 | 約2,400円 |
CASE6 | 肛門周囲にしこりを感じ来院。肛門診察(初診)をされ、皮垂(スキンタッグ)と診断された。気にしなくてよいといわれ、治療なしといわれた。 | 約850円 |
CASE7 | 気にしなくてよいといわれても気になるので当日(後日)に日帰り手術(仙骨硬膜外麻酔下に痔核切除術)を施行した。術後痛み止め座薬挿入され、痛み止め,胃薬を3錠/日を5日分処方された。 | 約18,000円 |
CASE8 | 肛門のしこりと痛みがあり来院。肛門診察(初診)をされ、血栓性外痔核(血まめ)と診断され、当日局所麻酔下に血栓摘出術施行。術後、痛み止め座薬挿入され、痛み止め,胃薬を3錠/日を5日分処方と軟膏2個/日と緩下剤2袋/日を14日分処方された。 | 約6,000円 |
CASE9 | 肛門周囲の熱感と痛みがあり、肛門診察(初診)をされ、単純肛門周囲膿瘍と診断され、局所麻酔下に切開排膿術をうけた。抗生剤と痛み止めと胃薬を3錠/日を5日分処方された。 | 約7,600円 |
CASE10 | 肛門周囲のかゆみを感じ来院。肛門診察(初診)をされ、肛門周囲炎と診断された。カンジダの検査のため培養検査を施行。軟膏1本とかゆみ止めを3錠/日を7日分処方された。 | 約2,600円 |
CASE11 | 一週間便が出ない。肛門診察(初診)をされ、糞便塞栓と診断された。摘便のあと、浣腸120cc施行。下剤を14日分処方された。 | 約1,400円 |
検査編10例 負担金額は約6,000円~89,000円
続いて、肛門科で行われる検査について10ケース・17パターンについてピックアップしました。
※これらはすべて3割負担での計算です。
3割負担の金額 | ||
CASE1 | 健康診断で便潜血陽性、もしくは腹部症状(便秘、腹部膨満、出血、腹痛)にて大腸内視鏡検査をうけた。特に異常なく、当日帰宅した。 | 約6,000円 |
CASE2 | 健康診断で便潜血陽性、もしくは腹部症状(便秘、腹部膨満、出血、腹痛)にて大腸内視鏡検査をうけた。悪性を否定するため(または疑わしいため)生検(組織検査)を施行された。 | 約13,000円 |
CASE3 | 健康診断で便潜血陽性、もしくは腹部症状(便秘、腹部膨満、出血、腹痛)にて大腸内視鏡検査をうけた。ポリープが発見され当日切除し入院した。 | |
1泊の場合 | 約35,000円 | |
2泊の場合 | 約44,000円 | |
3泊の場合 | 約47,000円 | |
CASE4 | 健康診断で便潜血陽性、もしくは腹部症状(便秘、腹部膨満、出血、腹痛)にて大腸内視鏡検査をうけた。大きなポリープが発見され当日切除し入院した。 | |
3泊の場合 | 約54,000円 | |
4泊の場合 | 約60,000円 | |
5泊の場合 | 約66,000円 | |
7泊の場合 | 約89,000円 | |
CASE5 | 健康診断でペプシノーゲン検査陽性、バリウム検査異常、腹部症状(胃痛、腹部膨満、吐血、嘔気)にて上部内視鏡検査(胃カメラ)をうけた。 | 約3,700円 |
CASE6 | 健康診断でペプシノーゲン検査陽性、バリウム検査異常、腹部症状(胃痛、腹部膨満、吐血、嘔気)にて上部内視鏡検査(胃カメラ)をうけた。悪性を否定するため(または疑わしいため)生検(組織検査)を施行された。 | 約11,000円 |
CASE7 | 健康診断でペプシノーゲン検査陽性、バリウム検査異常、腹部症状(胃痛、腹部膨満、吐血、嘔気)にて上部内視鏡検査(胃カメラ)をうけた。悪性を否定するため(または疑わしいため)生検(組織検査)を施行された。さらに、ピロリ菌検査(胃カメラ下)にて、ピロリ菌が多数存在していることが確認され除菌療法を7日間処方された。 | 約12,500円 |
CASE8 | 健健康診断でペプシノーゲン検査陽性、バリウム検査異常、腹部症状(胃痛、腹部膨満、吐血、嘔気)にて上部内視鏡検査(胃カメラ)をうけた。ピロリ菌検査なし。治療が必要なため胃・十二指腸潰瘍治療薬を14日分処方された。 | 約4,800円 |
CASE9 | 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、婦人科臓器の異常が疑われるため、腹部超音波検査を施行された。 | 約1,800円 |
CASE10 | 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、婦人科臓器の異常が疑われるため、腹部CT検査を施行された。(造影剤使用時) | 約4,500円 (約9,500円) |
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入院治療編6例 負担金額は約52,000円~95,000円
続いては入院治療した場合の費用を6ケース・10パターンです。何泊入院したかによっても費用は大きく違ってきます。
3割負担の金額 | ||
CASE1 | 腰椎麻酔下にいぼ痔の手術(痔核根本手術-従来法)を施行した。 | |
→軽度だったので2日間(1泊)の入院 | 約52,000円 | |
→中等度だったので5日間の入院 | 約70,000円 | |
→重度だったので8日間の入院 | 約90,000円 | |
CASE2 | 腰椎麻酔下に裂肛(切れ痔)の手術(肛門形成術)を施行した。 | |
→軽度だったので2日間(1泊)の入院 | 約52,000円 | |
→中等度だったので5日間の入院 | 約70,000円 | |
→重度だったので8日間の入院 | 約90,000円 | |
CASE3 | 腰椎麻酔下に痔ろうの手術(痔ろう根本術)を施行した。 | |
→軽度だったので 2日間(1泊)の入院 | 約45,000円 | |
→中等度(単純痔ろう根治術)だったので 5日間の入院 | 約53,000円 | |
→重度(複雑痔ろう根治術)だったので 8日間の入院 | 約95,000円 | |
CASE4 | 腰椎麻酔下にソケイヘルニア(脱腸)の手術(ヘルニア根本術)を施行した。 ※人工靭帯(ダイレクト・クーゲルパッチ)の値段6390円を含みます。 |
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→日帰り手術~4泊5日の入院 | 約75,000円 |
データ―は2015年度のものになります。
※最新の金額は>>こちら<<でチェックすることができます。
まとめ:症状の重さによって金額の差が大きい
実際の費用をご覧いただきましたが、いかがでしたでしょうか。症状の重さや、治療内容、入院の利用日数によってもかなり異なるのがお分かりいただけると思います。
重度になるほど、金額も、日数も、負担が増えます。ご自身の体調で、あれ?と思ったら、早いうちに検査で利用し、軽いうちに治療していくと、金額でも精神面でも負担が軽減しそうですね。ご参考になりますと幸いです。