慢性胃炎(まんせいいえん)

◆慢性胃炎
【どんな病気?】
胃の粘膜が萎縮、腸上皮化成と進展し、どんどんと粘膜が薄くなり胃の機能が低下した状態をいいます。原因不明と考えられていた慢性胃炎にピロリ菌の持続感染が病因の1つであることが明らかになってきました。
表層性胃炎: 炎症が胃粘膜の表面だけに認められる状態
びらん性胃炎: 胃の出口の近く(幽門部)に、タコイポ状の盛り上がった小隆起ができる状態
萎縮性胃炎: 胃粘膜が萎縮し粘膜自体が薄くなってしまう状態
さらに詳しく→よくわかるピロリ菌
【体の症状は?】
症状は特にありません。しかし、ストレス、睡眠不足、暴飲暴食、アルコールなどにより胃粘膜と胃酸分泌の間のバランスが崩れると胃痛、嘔気、腹部膨満などの症状がでます。
【検査】
上部内視鏡検査(胃カメラ):内視鏡により胃粘膜の色調や血管透見像をみます。萎縮が生じると粘膜の色調は赤色調から黄色調へと退色し血管が透けて見えてきます。
さらに詳しく→内視鏡検査って何をするの?
【治療・処置】
もたれ感や腹部膨満などの胃腸運動機能低下の症状がある場合は、消化管運動機能改善薬を服用します。胸焼け、胃痛などの胃酸過多症状には制酸薬、酸分泌抑制薬を服用します。症状がない場合は基本的に治療の対象にはなりません。
2013年2月から委縮性胃炎などのピロリ菌に起因した慢性胃炎の患者さんに対しても除菌療法が保険適応となりました。慢性胃炎でヘリコバクター・ピロリ感染が確定した場合は除菌が行われます。
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