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肛門周囲腫瘍・痔ろう

 2017/04/25 治療 病名 症状 肛門病
この記事は約 3 分で読めます。
肛門周囲腫瘍・痔ろう

どんな病気?

肛門の奥から細菌が入って肛門周囲が化膿したものを「肛門周囲膿瘍」と言います。そして、細菌の通過した穴を「痔ろう」といいます。

痔ろうに至る原因は、1:下痢のため肛門腺に便が入る、2:排便時に強くいきむ、3:先天的に肛門陰窩(いんか)が深い、4:疲労やストレスにより肛門内の局所免疫が低下し、わずかの刺激で炎症が起きる、などがあげられます。ほとんど場合、発症は運が左右すると言われています。

痔ろうの80%は男性です。男性は女性よりも肛門陰窩が大きくて深いので細菌が入りやすいことと、肛門括約筋の力が強く、肛門陰窩に細菌が押し込まれやすいためといわれています。

肛門周囲膿瘍→痔ろう形成まで

1.肛門の奥にある肛門陰窩に細菌が進入し、肛門腺に感染する。

2.膿瘍(うみ)を形成すると肛門の周りが腫れて激しい痛みが続く。発熱する場合もある。

肛門周囲腫瘍・痔ろう

3.溜まった膿瘍(うみ)が破裂し肛門外に出ると症状は楽になるが、その後に管が残り「痔ろう」となる。硬い索状物が残り、膿瘍(うみ)の混じった分泌液が出たり、肛門の周りに、湿疹や皮膚炎などができて、かゆみや不快感を生じる場合がある。

肛門周囲腫瘍・痔ろう

体の症状は?

肛門周囲膿瘍は、ばい菌の活動とともに膿(うみ)が貯まるため肛門の痛みや腫れを伴いますが、落ち着いているときには痛みは少なくなります。硬い索状物として触れたり皮膚の穴から膿が出たり、痒みを伴ったりします。放置しておくと膿を貯めるのを繰り返し、その度に痔ろうが複雑化します。肛門周囲膿瘍は痛みがあります。進行度により激痛がみられます。痔ろうの段階だと痛みがありません。ただし、痔ろうは手術で切除しない限り、治りません。

肛門周囲腫瘍・痔ろう

検査

<問診後に行われる診察の例>

直腸/肛門指診:肛門から指を挿入し届く範囲での直腸と肛門の中を触って診察します。最も基本的な診察法で、肛門の疾患で来院されたすべての患者が対象になります。

肛門鏡:肛門に筒型もしくは二枚貝のような道具を挿入し肛門内を直接見て診察します。多くの肛門専門施設ではデジタル(電子)肛門鏡を設備しており、患者様自身その映像をみることができ、施行しながら詳しい説明を受けられます。鮮明な画質で自分自身の目で見ることができ医師の病気の説明により一層の理解が可能です。

大腸内視鏡:痔ろうがある患者さんは、炎症性腸疾患(クローン病)がある可能性もあるため、大腸全体を内視鏡にて検査します。

肛門内圧検査:肛門機能障害や排便機能に問題がある場合に行います。肛門を締める肛門括約筋のしまりや働きをその圧力を測定し診断します。

超音波検査:肛門周囲膿瘍、痔ろうの膿の貯留する部位や広がりを診断します。

治療・処置

肛門周囲膿瘍は強い痛みと熱感を生じます。この段階では応急処置として切開により早急に膿(うみ)を出すことが必要です。痔ろうの段階ではそのままにしておくと再び化膿し肛門周囲膿瘍を伴うため、炎症の落ち着いたところで穴を切除する手術が必要です。入院はおよそ5日~14日程度です。

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