体に突然出る赤いぶつぶつ・・・子供・赤ちゃんの突然の発疹・感染症のまとめ

子供の体に急な発疹。びっくりしますよね。
発疹は子供の病気で現れやすい症状のひとつ。かぶれから、感染症まで、その原因は様々です。ここでは、「発疹を伴う感染症」について、まとめてみました。
Contents
赤いぶつぶつ、発疹が出た・・・これってうつるの?潜伏期間は?発疹を伴う子供がかかりやすい病名、感染症一覧
まずは、子ども・赤ちゃんがかかる病気の中で多く見られる、発疹を伴う感染症にはどのようなものがあるでしょうか? 見ていきましょう。
麻疹 ましん(はしか)
【症状】
・肺炎や脳炎を起こすこともある
・高熱(38~39℃)が出る
・熱が3~4日続いた後、少し下がった後に再度高熱が出る
・再度高熱が出た後、頬の裏側の口内粘膜に白い小さな粒(コプリック斑)が現れ、半日~1日で消える
・コプリック斑が現れた直後に耳の後方に赤く小さな発疹が現れ、顔全体に広がる
・小さな発疹の1つひとつがしだいにつながり、まだらに見えるようになる
・まだらの状態が4~5日続く
【発症の多い年齢】 4歳以下(20歳以上)
【潜伏期間】 約10日
【感染経路】 飛沫、空気
【感染させやすい時期】 発症1日前~発疹が現れてから4日間
※第二種感染症:学校保健安全法(後述あり)で定める感染症の分類。空気感染または飛沫感染により、学校・保育所などの施設で大流行する可能性がある疾患。
風疹 ふうしん(三日ばしか)
【症状】
・微熱(37~38℃)が出る
・顔や首に細かく小さい発疹が現れる
・細かく小さい発疹が、手足からからだ全体に広がる
・首や後頭部のリンパ節が腫れる
・3日で熱が下がり発疹も消える
【潜伏期間】 2~3週間
【感染経路】 接触、飛沫
【感染させやすい時期】 発疹が現れる数日前~発疹が現れてから5日間
※第二種感染症:学校保健安全法(後述あり)で定める感染症の分類。空気感染または飛沫感染により、学校・保育所などの施設で大流行する可能性がある疾患。
水痘 すいとう(水疱瘡、みずぼうそう)
【症状】
・頭部から陰部までの広い範囲に赤い発疹や水疱が現れる
・発疹と同時に、38℃程度の熱が出ることがある
・感染力が強い
【発症の多い年齢】 乳児期~幼児期
【潜伏期間】 2~3週間
【感染経路】 空気
【感染させやすい時期】 発疹が現れる2日前~かさぶた(痂皮かひ)ができる時期
※第二種感染症:学校保健安全法(後述あり)で定める感染症の分類。空気感染または飛沫感染により、学校・保育所などの施設で大流行する可能性がある疾患。
突発性発疹 とっぱつせいほっしん
【症状】
・生後初めて出す高熱(39℃以上)
・高熱があるのに元気がある
・高熱が出て2日後に、腹部を中心に白い小さな発疹が現れる
・ヒトヘルペスウイルスが原因で、6型と7型がある
・二度、発症することがあり、一度目は6型、二度目は7型が原因となることが多い
・6型のほうが7型より熱が高く、発疹も強い
・6型は、ほぼ全員が2歳以前に感染し、体内に免疫ができる
・30%が不顕性感染である
【発症の多い年齢】 6か月~2歳以下
【潜伏期間】 1~2週間
【感染経路】 接触、飛沫
【感染させやすい時期】 特になし
ヘルパンギーナ
【症状】
・夏風邪の一種
・喉に水疱が現れる
※ヘルパンギーナという名称は、高熱という意味です。
【発症の多い年齢】 3~10歳(ほとんどは5歳以下)
【潜伏期間】 3~5日
【感染経路】 接触、飛沫
【感染させやすい時期】 症状を発症した後の数日間
手足口病 てあしくちびょう
【症状】
・手足に水疱が現れる
・口腔内が真っ赤になる(口内炎)
・症状が出ても痛みはない
・水疱も口内炎も2~3日で元に戻る
【発症の多い年齢】 乳幼児期(1~4歳)
【潜伏期間】 3~6日
【感染経路】 接触、飛沫
【感染させやすい時期】 水疱や口内炎が現れてから数日間
伝染性紅斑 でんせんせいこうはん(リンゴ病)
【症状】
・頰が真っ赤になる
・腕や太股にレース状の発疹が出る場合もある
・熱は出ないか、出ても微熱(37~38℃)
・熱が出なければ、登校・登園させてよい
・顔が赤くなった時期には、感染力がなくなっている
【発症の多い年齢】 乳幼児期~学童期
【潜伏期間】 約2週間
【感染経路】 接触、飛沫
【感染させやすい時期】 発疹が現れる前の1週間
伝染性膿痂疹 でんせんせいのうかしん(とびひ)
【症状】
・7~9月に多く見られる
・溶連菌(多くは黄色ブドウ球菌)が原因となる
・膿(うみ)やかさぶた(痂皮)を伴う発疹が現れる
・黄色く、米粒からエンドウマメくらいの大きさの水疱(水疱性膿痂疹)になる
・水疱は、軽いかゆみがある
※水疱をかいて破いてしまい、膿が付いた手が感染経路になります。
・治療には、ステロイドの塗り薬や抗生剤の内服薬を使用する
【発症の多い年齢】 乳幼児期~学童期
【潜伏期間】 2~10日
【感染経路】 接触
【感染させやすい時期】 水疱が現れている間
溶連菌感染症 ようれんきんかんせんしょう
【症状】
・高熱(38~39℃程度)が出る
・舌に細かく小さい発疹が現れる
・治療には、抗生物質を10日〜2週間使用する
【発症の多い年齢】 乳幼児期~学童期
【潜伏期間】 2~7日
【感染経路】 飛沫
【感染させやすい時期】 抗菌薬治療を開始する前~抗菌薬治療を開始した日
発疹が出たら、まず家でできること
発疹が出た時は、かならず医療機関を受診してください。発疹は、感染症の場合も多くありますので、自己判断は厳禁です。お医者さんに行くまでの間、かゆがるお子さんのために、お家でできることには、こんなことがあります。
□ 発疹部分を写真で撮っておく。(しばらくすると発疹が消える場合がある。写真があると誤診が減る)
□ 子供が皮膚をかいて傷つけないように、爪を切っておく。
□ かゆみがひどい場合は、抑えるために、冷たいタオルなどで軽くたたく。(温かいとかゆみは増します)
□ 室温は低めに、湿度はやや高めは、かゆみに優しい。
□ 前と同じ、と思って前に処方された薬などは、使用しないこと。
□ おむつが当たってかぶれる、などの場合は、肌をふき、よく乾かす。
登園禁止、登校禁止はどんな時? 学校保健安全法とガイドラインで書かれていること
発疹が感染症の場合、登園や登校ができなくなる場合があります。
この感染症による登校や登園の禁止については、先にあげた「学校保健安全法」という法律で規定されています。また保育所で発疹が出た時の対応法は、ガイドライン(政府や団体が示す、大まかな指針や指導目標のこと)としてまとめられています。
学校や保育園、幼稚園では、感染症の時、どうとらえているのか、見ていきましょう。
保育所における感染症対策ガイドライン(2012年改訂版)より
1、登園を控えるのが望ましい場合
・発熱とともに発疹のあるとき
・今までになかった発疹が出て、感染症が疑われ、医師より登園を控えるよう指示されたとき
・口内炎のため食事や水分が取れないとき
・とびひ・・・顔等で患部を覆えないとき/ 浸出液が多く他児への感染のおそれがあるとき/かゆみが強く手で患部を掻いてしまうとき
2、保育が可能な場合
・受診の結果、感染のおそれがないと診断されたとき
3、保育中に症状の変化があるときには保護者に連絡し、受診が必要と考えられる場合
・*発疹が時間とともに増えたとき
・発熱してから数日後に熱がやや下がるが、24時間以内に再び発熱し赤い発疹が全身に出てきた。熱は1週間くらい続く(麻疹)
・微熱程度の熱が出た後に、手のひら、足の裏、口の中に水疱が出る。膝やおしりに出ることもある(手足口病)
・38℃以上の熱が3~4日続き下がった後、全身に赤い発疹が出てきた(突発性発疹)
・発熱と同時に発疹が出てきた(風疹、溶連菌感染症)
・微熱と両頰にりんごのような紅斑が出てきた(伝染性紅斑)
・水疱状の発疹がある。発熱やかゆみは個人差がある(水痘)
※食物アレルギーによるアナフィラキシー
・食物摂取後に発疹が出現し、その後消化器や呼吸器に症状が出現してきた場合は至急受診が必要
4、発疹を伴う感染症による登校・登園禁止期間一覧
登園・登校までの期間について、一覧にしてまとめました。ここにある登園許可証というのは、「医師の診断書を受けて保護者が記入した届け」のことです。この届出は、必須ではありませんが、提出が望ましい、とされているものです。詳しくは、通われている学校や保育園、幼稚園にお問い合わせください。
種類 | 登園・登校禁止期間 | 登園許可証 |
麻疹(はしか) | 熱が下がり3日経過するま | 必要 |
風疹(三日ばしか) | 発疹が消えるまで | 必要 |
水痘 (みずぼうそう) | すべての発疹がかさぶたになるまで(ワクチンを接種している場合は新しい発疹が出なくなるまで) | 必要 |
突発性発疹 | 熱が下がり全身状態がよくなるまで | 不要 |
ヘルパンギーナ | 発熱や口の中の水疱・潰瘍の影響なく、通常の食事が取れるようになるまで | 不要 |
手足口病 | 熱が下がり、口の中の水疱・潰瘍の影響なく、通常の食事が取れるようになるまで | 不要 |
伝染性紅斑(リンゴ病) | 体力が回復するまで | 不要 |
伝染性膿痂疹(とびひ) | 広い範囲の水膨れ・ただれ(びらん)が軽くなるまで | 不要 |
まとめ 発疹は感染症の疑いもあるので、速やかに病院へ
子供や赤ちゃんは、日常の中でよく発疹を起します。こうして少しずつ外界への免疫を付けて成長していくわけですが、親としてみれば、突然出る発疹や、原因が分からない症状は、心配ですし、その都度病院へ通うのも一苦労ですね。
慣れてくれば対処も落ち着いてできますが、病気への認識と知識を得ることは、親御さんの心労を減らすひとつの方法です。感染症の場合、対処の遅れは命の危険にも繋がることがありますので、病院を利用して早めの安心と対応を得られるようおすすめいたします。