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尿酸値が高い、と言われたら知っておきたいこと。下げるためにできること。

 2016/02/28 コラム 予防 症状
この記事は約 11 分で読めます。

尿酸値が高いって、値はいくつのこと?

まずは、健康診断などの血液検査の結果がおありの方はお手元にご用意ください。

尿酸値が高い、といわれる尿酸の基準値は、7.0mg/dlです。7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。なぜこの数値が基準なのか、というと、尿酸値が7.0mg/dlを超えてくると、血液中で尿酸の結晶化がはじまるからです。(結晶化については後ほど解説していきます)

男女別の尿酸値平均は以下の通りです。
男性:4.0~6.5 mg/dlぐらい
女性:3.0~5.0 mg/dlぐらい

血液検査

そもそも尿酸とは何なのか?

尿酸とは、細胞やエネルギー代謝の過程で出るゴミにあたるものを指します。ですので、常に体内に生成されていきます。健康な状態ですと、血液を流れて後、尿、便、汗などで排出されていきます。

しかし、何らかの原因により、排泄と生成のバランスが崩れ、体内に尿酸が増えると、尿酸値の値が高いと言われる状態(高尿酸血症)になります。つまり血の中のゴミの密度が上がっているということでもあります。

そしてプリン体とは?

プリン体、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。尿酸値が高くなる原因は、プリン体の取りすぎという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

プリン体は尿酸の原料となる物質です。そのため確かにプリン体の過剰摂取と尿酸値の間に関係性はあります。しかし、体の中に尿酸が増える原因は、プリン体の取りすぎだけでなく、様々なことが考えられてます。以前は痛風が贅沢病と考えられていましたが、それは貴族社会時代の遺物。現代にはあてはまりません。

尿酸値が高くなる原因とは?

では、いったい何が原因で尿酸が高くなっているのでしょうか?

実は(驚くべきことに)、尿酸が高い理由というのは人それぞれで、はっきりとした原因がわかっているものは全体の1割にとどまります。(その原因とは他の病気や薬が原因となっているものです)

つまり、ほとんどは原因がはっきりしていないのです。しかし、尿酸が高くなるリスクはわかっていますので、チェックしてみましょう。

尿酸値が高い人に多い9つのこと(尿酸値高いの?チェック)

尿酸値って、どうして高くなるのでしょうか?特定の原因が不明であるとお知らせしましたが、尿酸値の濃度変化は、もともとの体質と、生活習慣に大きく左右されることはわかっています。

ここでは、そんな尿酸値が高くなりやすい9つの状態を、チェック項目としてご用意しました。
あなたは今、尿酸値が上がりやすい状態にあるのでしょうか?試してみてください。チェックが多いほど、高尿酸血症になりやすいタイプです。

  1. □ 男性である
  2. □ 30歳以上である
  3. □ 血縁者に痛風の患者がいる
  4. □ ストレスが多い生活をしている
  5. □ 激しい運動を頻繁にする(息が切れるようなもの)
  6. □ アルコールを大量に、毎日飲む
  7. □ 油っこいものが好き
  8. □ 満腹になるまで食べるほうだ
  9. □ 太っている

尿酸値が高いと起こってくること

尿酸は、水に溶けにくい物質のため、尿酸濃度が高いと、体の中で溜まっていきます。尿酸は全身を回っているため、目や腎臓など、色々な所に溜まります。その中でも、溜まりやすいのは関節です。

痛風

溜まっていき固まったものが「結晶」になります。この結晶が『痛風』を引き起こします。結晶が血中にはがれおちると、白血球がそれを異物とみなして攻撃してしまいます。足が腫れあがり、炎症を引き起こすのです。

この炎症は『痛風関節炎』と呼ばれ、ときに『痛風発作』と呼ばれる激しい痛みを伴います。『痛風』とは尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎(痛風関節炎)を伴う症状になる病気のことで、それによる痛みの発作を『痛風発作』と呼びます。

結節や結石

尿酸が結晶化したものが大きさを増すと、結節や結石という形を取ることがあります。結節は痛風結節と呼ばれ、耳たぶや、足、手指、手の甲などにこぶを作ります。結石は尿酸などでできた石状のものです。腎臓にでき、腎臓から尿動という経路の中に出ると、痛みを伴います。大きいほど激痛を伴い、血尿などもあります。

痛風自体は、命にかかわるものではありません。また、高尿酸結晶の全員が痛風発作になるわけではありません。

痛風発作などが起きないと、痛みや日常生活への支障はないのですが、かわりに高尿酸状態が気づかれず、放置されるということにもなります。

合併症、全身症状への展開、他の生活習慣病を起しやすい状態

高尿酸の状態が続きますと、合併症、全身症状への展開、他の生活習慣病を起しやすい状態へとなっていき命への危険性が出てきます。

全身症状としては、慢性関節炎、痛風結節、尿路結石、腎障害高血圧。また、他の病気と併発するものとしては、脂質異常症、糖尿病などがあります。また高血圧、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞へもつながっていきます。

痛風についてはこちらで詳しく解説しています
関連記事▶ 何もしてないのに、突然足が腫れてきた、激痛がやってきた。それが痛風です。

そして、次はとても大切なこと、「尿酸値を下げるためにできること」についてお伝えします。

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痛風

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

コメント

  1. もりたつねお より:

    治したい。生活習慣の祟り。自分のせい。今、努力中です。

  2. 佐藤 より:

    今日 初めて薬をもらいました。
    治したい。

  3. ゆき より:

    尿酸値7.9でした。ハラハラしてます。泣。確実にダイエット10キロ頑張る決めましたᕦ(ò_óˇ)ᕤ

  4. 宍戸一也 より:

    今日の人間ドックで尿酸値7.1でした。週2~3回ボクシングジムに通っているのですが、激しい運動もやりすぎは考えものですね。週2~3ならそこまで問題でもないですよね?とりあえず水分はしっかりと取ります。まあ、何事も適度が一番ですね。水も飲みすぎると水中毒もありますしね。

  5. 伊藤太郎 より:

    尿酸値が高いです。数値は、医者に高めと指摘、再検査受けるように、言われてます。行きたくないけど12月に病院を受診します。薬もらえれば、飲むだけなので楽ですよね。痩せるのは、ちょっと難しいですよね。直ぐには・・・激太りしましたから、これ以上太りたくない。

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