心因性腹部膨満症

【どんな病気?】
心因性腹部膨満症には大きく分けて、次の2つの場合があります。
1 )心理的・精神的要因によって胃や腸管にガスが貯留するもの。ヒステリー性鼓腸や心身症的な呑気症と呼ばれるものがこれに含まれます。
2 )腹部膨満の原因が、鼓腸・腹水・腫瘍・脂肪・妊娠のいずれによるものでもなく、しかも、その症状の発現および消長に心理的要因が密接に関連していると思われる一群のもの。
多くの病院を受診し、検査では原因が見つからないので『原因不明の不思議な腹部膨満』として扱われてしまうこともあります。
【体の症状は?】
腹部膨満、腹壁緊張、脊柱の前弯位などの主要症状のほか、腹痛、便通異常を伴うものもあります。また、この病気には精神科領域の病気本症の合併がみられるものもあります。
【検査】
画像検査、血液検査では、腹部膨満の原因はわかりません。
【治療・処置】
本症の治療は根治的なものはありません。治療は実際問題としてなかなか難しく、対応する医者も忍耐と根気を要することが少なくありません。医者側にこうした病態の理解がないばかりに転々と医者の問をわたり歩くといったこともあり、症状がより軽快しにくくなってしまっていることもあります。
完全に症状をとることが困難であるにしても、ともかく、あらゆる方法を用いて自覚症状の改善を図りようにします。あまり症状にとらわれずに日常生活することが第一です。信頼できる医師を見つけ、信頼と相互理解に基づく良好な医者患者関係を築き、根気強く治療していくことが大切です。