胆石症(たんせきしょう)

【どんな病気?】
胆石症は胆汁に通り道である胆道に形成された結石のことです。できた場所により胆嚢結石、総胆管結石、肝内(胆管)結石に分けられます。そこの中で胆嚢結石が一番多く認められます。中年以降、加齢とともに胆石の発生が多くなるため、胆石症の人は中高齢者に認められることが多い疾患です。
【体の症状は?】
多くに場合は無症状ですが、食後や、夜間に突発する右側の上腹部が痛み(右季肋部痛)、心窩部の痛みがあることもあります。痛みは右肩や背部へ放散し、数十分間続くこともあります。
【検査】
血液検査
:胆汁の流れが阻害されている場合は、胆道系酵素の上昇を認めます。
腹部CT検査
:胆嚢結石の場合は胆嚢内に、総胆管結石では総胆管内、肝内結石では肝内胆管内に白い結石を認めます。
<胆嚢結石>
腹部超音波検査
:結石のためにエコーが届かない部分が影のように見える特徴的な像(音響陰影(アコースティックシャドー))を伴う高エコー像を認めます。
胆管造影検査
:総胆管結石で、胆管造影を行うと、結石に相当する部分に造影剤の抜ける像を認めます。
<総胆管結石>
【治療・処置】
治療方針は胆嚢結石、総胆管結石、肝内結石で異なります。
<胆嚢結石>
無症状の場合
:基本的に経過観察です
有症状の場合
:手術適応になります。手術方法には腹腔鏡下胆嚢摘出術、開腹胆嚢摘出術があります。
<総胆管結石>
内視鏡を使った治療(内視鏡的治療)が行われます。胆管の十二指腸への出口に筋肉を切開、またはバルーンで拡張して結石を摘出します。(内視鏡的乳頭括約筋切開術、内視鏡的乳頭バルーン拡張術)
<肝内結石>
肝内結石は癌の合併が高いので、肝臓の部分切除を行います。