脾腫(ひしゅ)

【どんな病気?】
脾臓(ひぞう)は左上腹部にある臓器です。脾腫(ひしゅ)とは感染症、貧血、癌といったさまざまな原因で脾臓が腫大したものを言います。脾腫になると、血球や血小板を過剰に取り込んで貯蔵するようになるため、血液中の赤血球、白血球、血小板の数が少なくなります。赤血球が少なくなると貧血を起こし、白血球が少なくなると感染を起こしやすくなり、血小板が少なくなると出血しやすくなります。
【体の症状は?】
脾腫ではあまり症状が出現しません。脾臓の近くに胃があるため、脾腫では胃が圧迫される症状(満腹感など)を訴える人もいます。その他、左上の腹部や背中に鈍い痛みが現れることがあります。
脾臓の一部に十分な血液が供給されず、壊死し始めた場合には左肩に抜けるような痛みを訴えることがあります。脾機能亢進が進み血液の異常が現れるようになると、貧血症状、易感染性(感染症にかかり易くなる)、出血傾向が起こってきます。
【検査】
血液検査
血球、白血球、血小板の数に減少がみられます。脾腫を起こす他の病気の有無を判定することができます。肝機能検査は、肝臓も障害を受けているかどうかを調べるのに役立ちます。
腹部CT検査・MRI検査・超音波検査
腫大した脾臓を認めます。
<肝細胞がんに伴う脾腫>
【治療・処置】
脾腫を引き起こす元になった原疾患を検査にて明らかにして、その治療を第一に行います。脾臓の外科的な切除(脾臓摘出術)が必要になることもあります。