急性膵炎(きゅうせいすいえん)

【どんな病気?】
膵臓(すいぞう)は、肉を溶かすほど強力な消化液である膵液(膵酵素)を分泌しています。
急性膵炎とは、アルコールや胆石により膵臓内で膵酵素が活性化され、膵臓や周囲の臓器を消化しているものです。大酒家の中高年男性、女性であれば胆石を持った人に多く認められる疾患です。軽いものから重症なものまであり、重症なものでは、緊急の治療が必要になることがあり命の危険もある疾患です。
【体の症状は?】
持続的な上腹部痛、背部痛、発熱、悪心、嘔吐、食欲不振などを認めます。
【検査】
血液検査
膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)の上昇を認めます。
超音波検査
膵臓の腫大を認めます。炎症の影響で膵臓の輪郭がぼやけて見えます。周囲に液体(腹水)の貯留を認めることもあります。
腹部CT検査
超音波検査と同様に輪郭の不鮮明な膵腫大を認め、周囲に腹水を認めることもあります。造影CTでは、造影されない腫大した膵臓を黒い塊として認めます。
【治療・処置】
胆石が急性膵炎の原因であった場合は胆石に対して内視鏡的治療を行います。
急性膵炎での治療の原則は十分な輸液と全身状態の管理です。輸液、鎮痛薬、抗菌薬、蛋白分解酵素阻害薬などを使用します。重症例では、透析治療や膵臓に行く動脈内に薬剤を投与する治療を行うこともあります。