膵臓がん(すいぞうがん)

【どんな病気?】
膵臓は胃の後面にある臓器で、消化液である膵液を分泌したり、インスリンなどのホルモンを分泌しています。膵臓がんとは、その膵臓にできた悪性腫瘍のことです。
症状がなかなか出現しにくいので、早期発見が困難ながんです。また、症状が出現した時にはすでに進行がんであることが多いため、生命予後は極めて悪いものです。喫煙、アルコール、糖尿病、肥満、膵がんの家族歴、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などが発がんの高危険群として挙げられます。
膵臓がんは、高齢の男性に多くみられます。年間約2500 人が膵臓がんで死亡しています。がんが膵臓のどの位置にできるかにより、膵頭部がん、膵体部がん、膵尾部がんに分けられます。そのうち膵頭部がんが2/3と最多です。
【体の症状は?】
症状は出現しにくく、早期がんでは無症状であることがほとんどです。進行がんになると、腹痛、腰背部痛、食欲不振、黄疸などを認めます。
【検査】
超音波検査
低エコーの腫瘤、末梢の膵管が拡張する像がみられます。
腹部CT検査
膵臓と連続する低吸引値の腫瘤、末梢膵管の拡張がみられます。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査
膵管の狭窄像、閉塞像を認めます。
【治療・処置】
切除可能であれば外科的手術を行い、術後に補助化学療法を行います。
手術は、がんのある場所により膵頭十二指腸切除術、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術、膵全摘術が選択され行われます。
切除不能であった場合は、化学放射線療法、化学療法、または症状改善のみを目的とした治療を行います。