自然気胸(しぜんききょう)

【どんな病気?】
自然気胸とは、肺にできた空気の風船のようなもの(ブラ、ブレブ)が明らかな原因がなく破裂してしまい、肺がしぼんでしまうものです。20歳前後、長身でやせ型の男性に多く認めます。
【体の症状は?】
肺が突然しぼんでしまうので、突然の胸痛と呼吸困難が現れます。これらの症状は深呼吸することで強くなる特徴があります。
【検査】
腹部レントゲン検査
空気の入っていない肺(虚脱した肺)と、胸腔内に漏れ出た空気を認めます。
【治療・処置】
しぼんでいる肺が軽度である場合、または症状がない場合は、安静にして様子を観察します。
胸痛や呼吸困難が強く、レントゲンで肺のしぼみ方が強い場合は、積極的治療の対象となります。具体的には、胸部の皮膚に局所麻酔をして肺にチューブを入れて、胸腔に漏れ出た空気を機械を使って外に出す胸腔ドレナージとよばれるものを行います。これにより症状は改善します。ドレナージを続けると破裂した部分が治癒して空気が漏れ出なくなります。その後、胸腔ドレーンは抜去されます。自然気胸を繰り返し起こす場合は、根治的治療としてブラ、ブレブを切除する手術を行います。