胸膜炎(きょうまくえん)

【どんな病気?】
胸膜炎とは肺を覆っている膜である胸膜に、さまざまな原因で炎症が起こり呼吸困難などの症状を引き起こす病気です。胸膜炎はその原因によりがん性胸膜炎、結核性胸膜炎、細菌性胸膜炎、膠原病性胸膜炎の4つに分けられます。このうち、がん性胸膜炎と結核性胸膜炎が特に多く、この2つで胸膜炎全体の60~70%を占めています。
【体の症状は?】
初期症状として、深呼吸で強くなる胸痛がみられます。
胸膜炎が続くと胸水が溜まり、胸水が増えてくると呼吸困難が出現します。細菌性胸膜炎や結核性胸膜炎の場合は、発熱を起こすこともあります。
【検査】
胸部レントゲン検査・胸部CT検査
胸腔内に胸水の貯留を認めます。がん性胸膜炎の場合は、胸部に胸膜炎の原因となる悪性腫瘍が認められることが多いです。
胸水検査
胸水を一部採取し、その比重やタンパク濃度を測定したり、顕微鏡検査を行うことで、胸膜炎の原因を調べることができます。
【治療・処置】
胸膜炎の原因によりその治療法は変わります。
細菌性胸膜炎の場合は抗菌薬の点滴、結核性胸膜炎の場合は、抗結核薬の点滴を行います。がん性胸膜炎であれば、抗がん剤を点滴で全身投与したり、胸水を抜いた後に、胸腔内に投与することもあります。
細菌性胸膜炎や結核性胸膜炎は一般的には予後良好ですが、がん性胸膜炎は予後が非常に不良です。