腸結核(ちょうけっかく)

【どんな病気?】
腸結核とは、結核菌感染によって腸管の潰瘍性、肥厚性が起こる病気です。
汚染食物の摂取により初発感染として発生する場合と結核菌に汚染された痰の嚥下によって発生する場合があります。
感染が成立する要因として、体内に取り込まれる結核菌の量と宿主の栄養状態と考えられています。40~70歳に多く見られます。
【体の症状は?】
腹痛の頻度が最も高く(50%)みられます。好発部位は回盲部で、右側腹部痛に限られる場合が多いです。
下痢の頻度は低く20%程度、下血、発熱、腹部膨満、嘔気、体重減少、食欲不振は10%程度です。
腸管の狭窄が増強すれば、腹痛の程度は増強し、嘔気、嘔吐を伴うようになります。
【検査】
ツベルクリン反応は90%以上で陽性化します。
大腸内視鏡検査にて病変部の生検から結核菌培養率は70%以上であり診断に有用です。
便培養で結核菌が検出されても排菌している部位が確定しない為、診断的価値は低いです。
大腸注腸造影検査
右下腹部の小腸と大腸の境目(回盲部)を中心に輪状潰瘍、輪状の狭窄が認められます。
【治療・処置】
まずは、抗結核療法を行ないます。腸管の狭窄が強く、治療になかなか反応しない場合、外科的に腸管切除を行います。