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糖尿病(とうにょうびょう)

 2016/06/22 治療 病名 症状
この記事は約 4 分で読めます。
糖尿病

【どんな病気?】

血液中の糖分が異常に高くなってしまった病気です。

人間は食事をすると誰でも一時的に血糖値が高くなります。血糖値が高くなると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように作用します。インスリンが分泌されなかったり、分泌されても量が少なかったり、インスリンがうまく作用しなかったりすると、血糖値は正常値を越えて高くなってしまいます。

糖尿病の発症には、体質的な素因が関係しています。比較的若い時期に発症する糖尿病は、ウイルス感染により自己免疫(自分の体の内部組織を異物と認識して攻撃してしまう疾患)と呼ばれる異常現象によるものが大半を占め、重症になりやすいと言われています。

インスリンの分泌量が少ない、インスリンの効き目が悪いなどの素因は元々の体質が大きな原因です。しかし、体質的因子だけで糖尿病が発生するわけではなく、それに種々の生活習慣が加わることで初めて発症します。

糖尿病は2種類に大別されます。この2種類の他にも膵臓そのものの病気や、ホルモン異常によって2次的に発症する場合もあります。

インスリン依存型糖尿病:

インスリンを自分で作ることが出来ない為、外からおぎなう(インスリン注射)必要のある方をと言い、15歳以下の子供に多く見られます。

インスリン非依存型糖尿病:

常にインスリンを外からおぎなわなくても、薬や食事療法で血糖値をコントロールできる方をインスリン非依存型糖尿病と言い、日本ではこの種類が大半を占めます。

【体の症状は?】

糖尿病になってカラダに出る症状は、他の病気と比べて様々ですが、病院や健康診断で尿に糖が出たとか、血糖値が高いと言われても、すぐに重症な病気になることはあまりありません。しかし血糖値が高い状態を5年・10年・20年と長年続けると糖尿病は各機能に障害を与えていきます。ですから、最初は無自覚・無症状でほったらかしにされ本人も気がつかない内に症状が重くなっていたと言う場合が多いようです。しかし糖尿病の怖さはその長年の蓄積が各種病気を引き起こすことです。

例:糖尿病性網膜症・白内障・・・重症になると失明する

腎臓障害

蛋白尿・むくみ・尿毒症を引き起こす

神経障害

神経痛・手足のしびれ・インポテンツ

動脈硬化

狭心症・心筋梗塞・脳卒中・脳血栓症・壊疽(えそ)

神経麻痺

便秘

糖尿病性昏睡

糖尿病の患者さんで、感染やストレスなどをきっかけに意識障害(昏睡状態)になることがあります。入院、治療を迅速に行わないと命の危険が出てきます。

【検査】

下記のいずれかを満たす場合、糖尿病が疑われます。
随時血糖値 200mg/dl以上
早朝空腹時血糖値126mg/dl以上
75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dl以上

75g経口ブドウ糖負荷試験

耐糖尿検査ともいわれ、体内にブドウ糖が入ってきたときの糖の処理能力(代謝能力)を検査するものです。

空腹時血糖を測定したあと、75gブドウ糖溶液を口から投与(経口投与)します。そして、30分後、60分後、120分後の血糖値を測定し、糖の代謝能力を調べます。

75g経口ブドウ糖負荷試験

軽度の糖代謝異常を調べるためには最も感度の高い優れた検査方法であり、糖尿病の高リスク群を発見したり、糖尿病の病態を把握したりするのに有用です。

【治療・処置】

食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて治療を行っていきます。

その際、特に重要になのが生活習慣の改善です。食事療法の基本は、適切なカロリー摂取、規則的な食事、栄養バランスのとれた食事を心がけることです。食事療法により、肥満を改善できます。

運動療法の基本は、酸素を十分に取り入れる事ことを目的とした全身運動、つまり有酸素運動です。運動療法により、肥満を改善できるほか、インスリンの効果を上げることができます。

食事療法・運動療法ともに、糖尿病治療の基本になる重要な療法です。食事療法・運動療法によっても改善が進まない場合、薬物療法が選択され、経口血糖降下薬が使用されます。経口血糖降下薬によっても改善が進まない場合は、インスリン療法が選択されます。

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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