尿毒症(にょうどくしょう)

【どんな病気?】
尿毒症は、末期腎不全でみられる全身の臓器障害のことです。いろいろな症状が出て、放置すると数日で死に至る危険な病気です。尿毒症の原因は、尿中への排泄低下などにより体内に過剰に蓄積して毒性を発揮した物質です。これは「尿毒素」と呼ばれ、代表的な尿毒素には尿素やクレアチニン、各種タンパク代謝産物などがあります。
【体の症状は?】
全身に下記のような様々な症状を引き起こします。
・中枢神経症状
頭痛、意識障害、幻覚、振戦、けいれんなど
・心血管症状
難治性の高血圧、心不全、致死性不整脈など
・目症状
網膜症など
・呼吸器症状
胸水貯留、労作時息切れ、呼吸困難など
・末梢神経症状
知覚障害など
・消化器症状
口臭、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢など
・免疫異常
重症感染症など
・皮膚症状
搔痒感、色素沈着など
・血液異常
貧血、出血傾向など
・骨障害
骨の代謝異常など
【検査】
血液検査で腎不全の所見を認めます。また、胸水が溜まれば胸部レントゲン、胸部CT検査で確認できます。心不全があれば心エコーにて確認できます。
【治療・処置】
腎不全に対する治療を行いますが、特に尿毒症の場合は、その対策として経口吸着薬を内服します。
経口吸着薬には、特殊な活性炭を成分としていて腸内の尿毒素を吸着して便として排泄する働きがあります。経口吸着薬は尿毒症症状の改善と透析導入の遅延が期待される薬です。その他、生活習慣では便秘や食思不振などに注意をします。