1. TOP
  2. 治療
  3. 脳腫瘍(のうしゅよう)

脳腫瘍(のうしゅよう)

 2016/11/05 治療 病名 症状
この記事は約 3 分で読めます。
脳腫瘍

【どんな病気?】

脳腫瘍とは、頭蓋内組織由来の腫瘍の総称です。

脳腫瘍には、脳にある組織が原因で腫瘍になる原発性脳腫瘍と、ほかの臓器にできた悪性腫瘍が脳に転移して腫瘍を形成する転移性脳腫瘍の2つがあります。

原発性脳腫瘍の罹患率は12~16/10万/年程度です。好発年齢は原発性脳腫瘍では50歳代にピークがあり、転移性脳腫瘍はそれよりもやや高齢にピークがあります。

転移性脳腫瘍の原因では、肺がんや、乳がんが多く、その予後は、原発性脳腫瘍より悪くなっています。

原発性脳腫瘍には脳実質由来の腫瘍の他に、脳を包む膜(髄膜)由来、神経由来、下垂体由来の腫瘍などがあり、好発の腫瘍は発症年齢や性別により異なります。

原発性脳腫瘍の予後は1年以内に死亡してしまう悪性度の高いものから手術で完全切除できる良いものまでさまざまあります。転移性脳腫瘍を引き起こした悪性腫瘍と違い、原発性脳腫瘍が全身に転移することはまれです。

【体の症状は?】

脳腫瘍ができた場所で正常の神経細胞を刺激するため、てんかんなどの症状を認めます。その他、片麻痺、失語、失認、幻覚、人格変化、運動失調などを認めます。腫瘍が大きくなり、頭蓋内圧が亢進すると、頭痛、嘔吐、うっ血乳頭、脳ヘルニアなどの頭蓋内圧亢進症状を認めます。

【検査】

血液検査:

脳腫瘍の腫瘍マーカーの上昇を認めます。

頭部MRI検査:

脳腫瘍の診断にはMRIが有力です。脳腫瘍の種類により画像所見は変わってきますが、完全切除ができる予後の良い脳腫瘍(髄膜腫など)は正常組織との境目がはっきりし内部は均一です。

一方、予後のわるい脳腫瘍(膠芽腫など)は、正常との境目が不明瞭で内部も不均一になっています。

脳腫瘍
<髄膜腫>

脳腫瘍
<膠芽腫>

【治療・処置】

脳腫瘍の治療は、完全切除が理想です。

外科的手術で完全切除が可能であれば手術を試みます。正常の脳組織も合併切除しなければならないときは、そのことによる随伴症状も出現するので、どこまで切除できるかを術前に画像検査などで決定しておくことが重要です。脳の組織は比較的放射線に耐性があるので、放射線の感受性の高い脳腫瘍には放射線療法が行われます。

\ SNSでシェアしよう! /

専門医が教える体の情報サイトdscopeの注目記事を受け取ろう

脳腫瘍

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

専門医が教える体の情報サイトdscopeの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 新型コロナウイルス感染症

  • 突発性食道破裂(とっぱつせいしょくどうはれつ)

  • 肛門がん

  • 側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)