頸椎捻挫(けいついねんざ)

【どんな病気?】
頸椎捻挫とは、ラグビーや相撲などで首が急に強く曲げられたときにおこる首の骨の部位に起こる捻挫です。
自動車に乗っているときに追突されておこる「ムチ打ち症」も頸椎捻挫に数えられます。
頸椎そのものには異常がなく首のすじや筋肉を傷めるケガなので、頸椎のケガとしては比較的軽い部類に入ります。ムチ打ち症は首が強く後ろに曲げられて発生するのに対して、スポーツの頸椎捻挫は前に強く曲げたり、横にひねったりしておこることが多くなっています。
【体の症状は?】
首がこわばって痛みがあります。首を動かすと痛い、動かしにくいといった症状があります。衝撃を受けたときに首や肩にしびれる感じ、電気が走る感じがあったり、頭痛やめまいがすることもあります。
【検査】
レントゲン検査:
頚椎に骨折・脱臼がないことを確認することが重要です。
【治療・処置】
現場では首を冷やし、すぐに専門医の診断を受けます。頸椎に影響がおよんでいるかどうかの判断はつけられないため、医師の診断が必要です。
とくに痛みが強く、肩や腕にしびれのあるときはタンカに乗せて運ぶぐらいの慎重さが必要です。骨の損傷のない捻挫と診断された場合は、冷湿布や消炎鎮痛剤の使用と安静が治療の主体となります。頸椎コルセットを着けることもあります。
スポーツからの頸椎捻挫の場合、復帰について考えると思いますが、通常は2~3週間の安静で痛みがとれてスポーツを再開できていることが多いです。ただし、いきなり首から突進していくような練習は控えましょう。また、痛みが再発したときは再度診断を受けます。椎間板や靭帯を傷めているケースもあるためです。
予防は首の筋肉強化とストレッチがあります。筋肉強化は首自体を動かさずに、手で前後左右に力を加える方法(等尺運動)が効果的です。