悪性リンパ腫(あくせいりんぱしゅ)

【どんな病気?】
悪性リンパ腫とは、腫瘍細胞がリンパ節や皮膚などのリンパ節以外の臓器にとどまって増殖して、腫瘤を形成する病気です。
日本での発生率は10万人あたり約3人で、欧米よりも低く、比較的高齢者に多く認められます。
特徴的な病理所見(ホジキン細胞、Reed-Sternberg細胞)を認めるホジキン病と、それ以外の非ホジキン病があります。
その頻度はホジキン病が10%で、非ホジキン病が90%です。好発年齢は、ホジキン病は15~35歳と50~60歳代で、非ホジキン病はホジキン病に比べてやや若い成人に多くみとめます。病気の原因は、ホジキン病では、EBウイルスの関与が示唆されています。
非ホジキン病では、EBウイルス、ヒトヘルペスウイルスなどの感染や、放射線照射、抗がん剤、免疫不全、自己免疫疾患などが関連していると言われています。
【体の症状は?】
発熱の他、寝汗(盗汗)、体重減少、皮疹、無痛性リンパ節腫大を認めます。感染にかかり易いこと(易感染性)も特徴です。
【検査】
病理検査:
リンパ節などの腫瘤から細胞を一部採取して病理検査を行います。ホジキン病の場合には、特徴的な細胞(ホジキン細胞、Reed-Sternberg細胞)を認めます。
『Reed-Sternberg細胞』
【治療・処置】
ホジキン病では、放射線療法、化学療法、非ホジキン病では化学療法を中心に治療を行います。