急性白血病(きゅうせいはっけつびょう)

【どんな病気?】
血液の成分は、骨の中心部の骨髄で作られます。骨髄にある造血幹細胞が分化してさまざまな血球が作られるのです。その造血幹細胞に遺伝子異常が生じて白血病細胞が増殖する病気が急性白血病です。
白血病細胞が以上に増殖するので、正常の血球成分の造血が妨げられます。その結果、異常な血球が末梢血に現れ、正常の血球は減少してしまいます。白血病の罹患率は人口10万人あたり約5.5人で男女比は6:4でやや男性に多く認めます。
白血病で1年間に約6000人の人が命を落としています。急性白血病は急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病に分けられます。急性リンパ性白血病は、幼児期と高齢期に多く認め、男女差はありません。一方、急性骨髄性白血病、50歳以降でピークがあり男性に多い特徴があります。
ちなみに白血病という名前は、最初に記載された症例で、血液が白っぽく見えたことに由来しています。著明に増加した白血球により血液が白く見えたからと考えられています。現在は、血液が白く見えるほど白血球が増殖する例はありません。
【体の症状は?】
発熱、全身倦怠感の他、顔面蒼白、息切れを認めます。
血小板が少なくなったために、出血傾向となり、鼻出血、歯肉出血、皮下出血を認めます。
その他に、中枢神経症状、歯肉腫脹、リンパ節腫脹、肝脾腫などを認めます。
【検査】
血液検査:
正常の造血が抑制されることにより貧血、血小板減少を認めます。
骨髄検査:
骨髄生検により採取した骨髄液に異常な腫瘍性増殖を認めます。
【治療・処置】
白血病の治療は、腫瘍細胞が増殖するために必要な分子を阻害する分子標的療法が、副作用が少ないためまず検討されます。しかし、すべての白血病の治療に効果があるわけではありません。その他の治療には、いくつかの薬を併用して使用する多剤併用化学療法、造血幹細胞移植が行われます。