全身性エリテマトーデス(SLE)(エスエルイー)

【どんな病気?】
全身性エリテマトーデス(SLE)とは、慢性炎症を認める自己免疫疾患です。
若い女性に多く認めます。炎症性病変がさまざまな臓器に起こり、多彩な臓器病変を認めます。原因は不明ですが、遺伝的素因にホルモン異常やウイルス感染などが誘因となって、多様な自己抗体を産生してしまうことによっておこると考えられています。好発は10~30歳代の女性で妊娠可能年齢に多く認めます。
症状は、若年層ほど重症化する傾向があります。発病率は10万人あたり10~100人で患者数は全国に5万人程です。発症の誘因因子として、急性感染症、妊娠、分娩、経口避妊薬、薬剤などがあげられます。また分娩後に増悪することも多い病気です。
【体の症状は?】
発熱、易疲労感、体重減少などの全身性の症状の他、下記のような症状を認めます。
蝶形紅斑:左右の頬に紅斑を認めます。
円板状紅斑円形の隆起性紅斑を認めます。
脱毛、光線過敏、口腔内潰瘍、多発性関節炎、関節痛、ループス腎炎、ネフローゼ症候群、けいれん、意識障害、幻覚、妄想、躁鬱状態など。
【検査】
血液検査:
白血球減少により免疫低下が認められます。赤血球減少(貧血)を認めます。その他、血小板減少を認めます。自己抗体の一つである抗核抗体を認めます。
【治療・処置】
安静にして、薬物療法を行います。薬物療法はステロイドが中心で、病気の重症度により投与する量を決定します。ステロイドが効かなかったり、合併症があって投与できない場合には免疫抑制剤などが使用されます。