不眠症(ふみんしょう)

【どんな病気?】
不眠と一口に言っても、人によって症状は様々です。一般的に睡眠障害は3つのタイプに分類されます。
1、寝つきが悪い(入眠障害)
2、夜中に途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)
3、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
この中でも、1の入眠障害がもっとも多くみられます。睡眠障害はそれぞれのタイプで治療法・対処法も異なるので、まずは自分がどのタイプなのか、また不眠になってしまった原因は何か、をまず知ることが必要です。
【体の症状は?】
上記にあげましたが、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中に途中で目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)により十分な睡眠が得られない体感があります。
【検査】
睡眠ポリグラフ検査
一晩中、脳波、心電図、筋肉や眼球の動き、呼吸などを記録して、睡眠の状態を調べる検査です。
反復睡眠潜時検査
昼間の眠気の強さを評価して、入眠過程や脳波に異常がないかを調べる検査です。
アクチグラフ
アクチグラフとは腕時計式の小型の加速度センサーです。これにより活動量を記録し、睡眠と覚醒のリズムを調べることができます。
睡眠日誌
毎日自分で、寝床に入った時刻、実際に寝ついた時刻、目が覚めた時刻、寝床を離れた時刻などを、記入してもらう検査です。この記録表で睡眠の状態を確認します。
【治療・処置】
治療としては基本的にリラックスすることが重要です。
不眠症の原因として考えられるのは以下のようなものがあげられます。
生理的不眠 :睡眠充足状態、加齢的、生態リズムのずれ。病的な不眠ではありません。
過緊張性不眠:日中に極度の緊張状態を必要とする仕事の方は、神経の高ぶりがなかなか落ち着かず寝つきが悪いのです。
精神的な疾患:ストレス性不眠 ストレスが原因であったり、思い悩むことが多い場合には精神的に障害を受け「うつ病」に移行
アルコール性:アルコールは確かに入眠を誘いますが、中途覚醒がみられ、またその悪循環により睡眠障害になります。
薬物性:薬物も自分の障害のタイプに合ったものを使用しないと睡眠障害になります。
環境性:騒音や照明などの環境因子が身体に影響を与えている場合があります。
基本的に身体は必要な睡眠を自分でとろうとするものです。無理に構えないようにし、できる限り毎日規則正しい時刻に睡眠が取れるようにすることです。適度の運動は、身体の疲れと精神的なストレスの発散につながり睡眠を促進します。またごく少量の飲酒であれば、寝付きをよくし、その後の睡眠にはあまり影響を与えないことが知られています。しかし過量になると睡眠後半の睡眠の質が悪化し中途覚醒が増えるため、睡眠の充足感がなくなり、かえって睡眠不足となります。
これらの工夫により睡眠障害が改善しない場合は、医師に相談して睡眠薬の服用を試みる方法もあります。自分のリズムが戻ってくれば薬に頼らなくてもよくなると思います。