甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

【どんな病気?】
甲状腺機能亢進症とは、様々な原因で甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて全身の代謝が亢進してしまうものです。20~40歳代の女性に多く認めます。甲状腺の機能が亢進してしまう原因としては、①甲状腺刺激物質や腫瘍により甲状腺ホルモンの合成・分泌が亢進すること、②甲状腺が炎症などで破壊され過剰のホルモンが漏出してしまうこと、③甲状腺ホルモンの過剰摂取などが考えられています。このうち血液中に甲状腺に対する自己抗体を認め、びまん性甲状腺腫を伴うものをバセドウ病と言います。この自己抗体ができる原因はまだ詳細にはわかっていませんが、遺伝的素因が関係していると考えられています。
【体の症状は?】
全身の代謝が亢進するので、食欲が亢進して食べる量が増えるのにもかかわらず、体重が減少するという相反する状態になります。その他、暑がりになったり、発汗、動悸、易疲労感、振戦などを症状として認めます。バセドウ病では、びまん性甲状腺腫、眼球突出を認めます。
【検査】
血液検査:
甲状腺ホルモンの上昇、甲状腺刺激ホルモン低下を認めます。
【治療・処置】
甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬を投与します。抗甲状腺薬で良くならない場合や、副作用で使用できない場合には、手術にて甲状腺を亜全摘でします。その他、放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることもあります。