急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)

【どんな病気?】
急性虫垂炎は俗にいう「もうちょう」です。盲腸部の先端から腸外に突き出している「虫垂(ちゅうすい)」部分が炎症を起こした病気です。この虫垂部に便などが貯留し細菌感染を起こすことにより炎症が発症します。
【体の症状は?】
初期症状として、心窩部(しんかぶ:みぞおちのこと)の痛みや臍周囲の不快感が現れます。腸管の麻痺症状により、食欲不振や嘔気を伴い、発熱は38度程度となります。痛みは次第に虫垂のある右側腹部に集中していきます。右下腹部の場所は、McBurney圧痛点、Lanz圧痛点、Kummel圧痛点と呼ばれています。
McBurney圧痛点
右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、右から3分 の1の点
Lanz圧痛点
左右の上前腸骨棘を結ぶ線を3等分し、右から3分の1の ところ。
Kummel圧痛点
臍の右下1-2cmの点
この右下腹部痛は咳などの腹圧がかかる時に増強します。虫垂が破裂し、菌が腹腔内(ふっこうない:おなかの中のこと)にばらまかれると腹膜炎を併発し、歩行でさえ困難になります。腹膜炎になると、炎症が腹膜までおよぶので腹壁が硬くなる(筋性防御)他、腹部を押したときより離した時の方が痛みを強く感じるようになります。(Blumberg徴候)
【検査】
腹部所見による右側腹部の圧痛と、血液検査(白血球などの炎症反応の上昇)超音波検査やCT検査による虫垂の炎症所見を確認します。
【治療・処置】
腹膜炎の所見がなければ、保存的に抗生剤で経過を観察します。腹膜炎が疑われる場合、保存的治療で軽快しない場合は、手術にて虫垂切除術を行ないます。