片頭痛(へんずつう)

【どんな病気?】
片頭痛の名のとおり、頭の片側のこめかみから目にかけて痛みが出る頭痛です。疫学調査によると、日本人の約8%が片頭痛に悩まされているといわれ、男性よりも女性に多くみられます。たいていの場合、10~20歳代ではじめてあらわれ、その後、いわゆる「頭痛持ち」に移行します。
【体の症状は?】
頭の片側のこめかみから目にかけてのあたりが痛みます。頭の両側や後頭部が痛むケースもみられます。痛みは数時間から、長い場合は数日間続きます。
原因は以下のようなものがあげられます。
過労や睡眠不足、精神的ストレス:
大きな悩みから解放された、ハードな仕事をがんばってやり終えた、など緊張がとけてホツとした途端、それまで抑えていたストレスが一気に噴き出して頭痛がはじまるというパターンです。これは、ストレスのかかっている最中には緊張によって収縮していた血管が、リラックスすることによって拡がるためと考えられます。実際、ウィークデーはなんでもないのに、せっかくの休日、朝から片頭痛に悩まされるという人は少なくありません。このようなケースは「週末頭痛」とも呼ばれています。
月経、妊娠、出産などによる女性ホルモンの分泌バランスの変化:
生理のはじまる1~2日前や、生理中によく起こります。妊娠中ですと片頭痛は一時的に治まることが多いのですが、出産後はまた始まります。経口避妊薬(ピル)を服用した場合も片頭痛が生じやすくなることがあります。
家族歴:
家族や親族の中に同じような頭痛持ちの人がいることが多く、その点から遺伝的体質との関係も考えられます。特に母親が片頭痛の場合、娘が片頭痛になる確率が高いことが知られています。
特定の食べ物:
アルコール、チョコレート、食品の防腐剤として使われている亜硝酸塩、グルタミン酸などの添加物によっても片頭痛が誘発されるといわれていますが、これらの食物が直接影響しているかどうかは疑問視されている部分もあり食べた時の状況に関係がある場合も考えられます。頭痛日記で細かく観察し、自分にとっての誘因はなんであるかをチェックしてみましょう。ただし、あまり神経質になり過ぎないようにして下さいね。
空腹:
ダイエット中であったり、朝食を食べないで学校や会社へ行くと、頭痛が起こることがあります。
人込みや騒音、まぶしい光:
デパートなど人の集まる場所に出かけると頭痛が起こる場合がよくあります。この場合、人込み、騒音、まぶしい光、ストレスあるいは香水の匂い等によって頭痛が誘発されていると考えられます。また、旅行へ行くと頭痛が起こるという事例もよく聞きます。旅行には、車酔い、早起き(寝不足)、不規則な食事、疲労、ホテルの部屋の乾燥、ストレス、ストレスからの解放など、頭痛に関連する実に多くの要因が絡んでいます。