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放射線性大腸炎(ほうしゃせんせいだいちょうえん)

 2017/05/29 治療 病名 症状
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放射線性大腸炎(ほうしゃせんせいだいちょうえん)

【どんな病気?】

骨盤内の悪性腫瘍に対し放射線治療を行なった後に発生する大腸の難治性の炎症疾患のことです。40~50rad(ラド:吸収した放射線の総量を示す単位)の放射線照射から急速に頻度が増加することがわかっています。

【体の症状は?】

照射開始1~2週間後、早期障害として一過性の粘膜壊死が発生します。それ原因で、下痢、しぶり腹がみられますが、通常は照射中止後1ヶ月ほどで消失します。

晩期障害は照射後6ヶ月~10年以上経過してから現れます。腸管の小血管の閉塞、粘膜萎縮、線維化に伴う虚血性変化で腸管の狭窄症状、出血、腸管に瘻孔(ろうこう:漏れるような管状の穴)、穿孔(せんこう:破れるような穴、)が起きます。

【検査】

放射線の照射の既往、症状に加え、大腸内視鏡検査にて腸管内の炎症所見を確認し診断します。
>> 内視鏡検査って何をするの?

【治療・処置】

早期障害で起こる下痢やしぶり腹には、止痢剤、鎮痙剤(ちんれんざい)などの対症療法を行ないます。
晩期障害に対しては慢性の栄養障害のため、栄養管理が必要です。小腸病変を有する場合や症状が強い場合は、高カロリー輸液などによる全身療法が必要となります。

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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