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大腸憩室症(憩室炎)

 2017/06/01 治療 病名 症状
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大腸憩室症(憩室炎)

【どんな病気?】

大腸憩室は大腸の壁が腸管内の圧力に負けて、腸管外にポケット状に突出したものです。大腸の壁を血管が貫いている部分はほかの部分より弱いので、そこが突出したものが大腸憩室です。

【体の症状は?】

一般に無症状ですが、憩室内に糞便がたまり炎症を起こすと腹痛や発熱を発症します。これを憩室炎といいます。これを何度も繰り返していると、腸管は硬くなり融通の利かない腸になり、便がスムーズに腸管内を移動できなくなり、便秘、下痢、腹部膨満、違和感の原因になります。最終的には、腸管に穴が開いてしまうこと(穿孔)もあります。また憩室が深くなり腸管を栄養している血管を損傷すると、そこから出血し下血となります。

【検査】

消化管造影(バリウム検査)や大腸内視鏡で病変の存在を確認します。

内視鏡検査って何をするの?

【治療・処置】

大腸憩室症はそれのみでは症状が出ませんので、治療が必要となるのは合併症がある場合に限られます。憩室に炎症を合併した憩室炎では腸内安静のため禁食とし、補液と抗生剤で炎症を鎮めます。炎症が落ち着かず、腸に穴が開き腹膜炎になった場合や炎症や出血をたびたび繰り返す症例は、手術にて腸切除をする場合があります。

大腸憩室出血の約75%は自然止血されるとされています。自然に止血しない場合は大腸内視鏡にて出血部位を確認できれば、クリップにて憩室を閉じ止血を図ります。まず全身状態の回復に努めますが、出血が多い場合は輸血を余儀なくされる場合もあります。

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ナオル

ナオル

こんにちは。日本を健康にすべく健康惑星からやってきたナオルです。

僕、こう見えて医者なんです。人間の体って面白い。特に、地球上生物の栄養摂取と排泄の仕組みは興味深い(僕たちは食べませんから)。そんなわけで、専門分野は消化器、肛門疾患です。今日も日本中から集めた論文や臨床に基づいた確かな情報をお届けします。

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